研究課題/領域番号 |
23K00605
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
橋本 ゆかり 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (40508058)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 文法習得 / 第二言語習得 / 認知言語学 / 用法基盤モデル / 外国につながる子ども / 第一言語習得 / 構文 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、認知言語学の用法基盤モデルの観点より、日本語の構文構築モデルを提示することを目的とする。第一言語習得の子ども、第二言語習得の子ども,第二言語習得の大人の3領域の共通性から普遍的習得プロセスとメカニズムを追究し、差異から各特徴を明らかにする。普遍性については、これまで動詞形や助詞の研究を中心に進め「スロット付きスキーマ合成仮説」(橋本 2018)を提示しているため、当該理論の精緻化を図りつつ習得の全体像を明らかにする。また3領域に介在する環境、年齢、認知能力、母語といった要因とプロセスとの関連性を追究する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、認知言語学の用法基盤モデルの観点より、膠着言語である日本語の構文 構築モデルを提示することである。アプローチとしては、第一言語習得の子ども、第二言語習得の子どもと第二言語習得の大人の3領域の共通性から普遍的習得プロセスとメカニズムを追究し、差異から各特徴を明らかにする。普遍性については、これまで動詞形や助詞の研究を中心に進め「スロット付きスキーマ合成仮説」(橋本 2018)を提示しているため、当該理論の精緻化を図りつつ習得の全体像を明らかにする。そのために研究対象を句のルールから文や複文といった広域ルールにまで拡げる。また3領域に介在する環境、年齢、認知能力、母語といった要因とプロセスとの関連性を追究する。このことにより普遍的メカニズムとプロセスを規定する諸要因を考慮した動性を備えたモデルを提示できる。これら基礎研究によって得られた構文構築モデルは教育方法に応用する。 当該年度においては、名詞修飾節に焦点を当てて、研究を行った。これまでに第二言語習得の大人、第二言語習得の子ども、第一言語習得の子どもの比較を行ってきたが、第二言語習得の子どものデータを追加して、個別性について追究した。本研究内容は、国際会議において採択されたため発表する予定である。また、第二言語習得と認知言語学に関する編著書を出版したが、1年で重版となったため、内容の検討と充実化を図り出版した。シンポジウムでは日本語を第二言語とする子どもの言語発達について講演したが、これまでの研究成果を含めた。また日本語を第二言語とする子どもの学校教育における問題に焦点を当てて研究を行った。これについては、日本語教育の学会において発表する予定である。加えて、海外に赴き、学校教育や日本語教育について大学教員に聴取し、日本との違いや多文化共生社会の在り方について認識を深めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的とも関連する第二言語習得や教育に関する編著書を出版したため、個別の研究が遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
第一言語習得の子ども、第二言語習得の子ども、第二言語習得の大人の3領域の共通性から普遍的習得プロセスとメカニズムに関する追究を継続して行う。差異から各特徴を明らかにする。普遍性については、これまで動詞形や助詞の研究を中心に進め「スロット付きスキーマ合成仮説」(橋本 2018)を提示しているため、当該理論の精緻化を図りつつ習得の全体像を明らかにするために、データを増やし、対象の文法カテゴリーを増やす。研究対象を句のルールから文や複文といった広域ルールにまで拡げていくつもりである。3領域に介在する環境、年齢、認知能力、母語といった要因とプロセスとの関連性を分析し、かつ学習や教育を阻害する要因は何か、適切な教育環境は何かを追究する。研究の蓄積により成果の厚みをも持たせ、メカニズムとプロセスを規定する諸要因を追究することで、動性を備えたモデルを解明していくつもりである。加えて、研究の成果は、教育との関連性を考え、応用する。
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