研究課題/領域番号 |
23K00630
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
竹口 智之 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (80542604)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ウラジオストク市 / ユジノ・サハリンスク市 / 歴史の地域性 / ライフストーリー / 日本語教育史 / 複線径路等至性アプローチ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は極東連邦大学(ロシア連邦・ウラジオストク市)の教師・学生へのインタビューと文献調査で、以下の点を分析・考察する。それは、(1)1930年代に閉講された当地の日本語教育は、1960年代にいかなる経緯で再開されたか、(2)1980年代の市場開放政策及びソ連崩壊、その後の経済混乱は日本語教育にいかなる影響を与えたか、(3)当時の日本語教材の内容はいかなるものであったか、である。これらを分析することで、①高等教育機関において日本語教育が開始・継続されたロシア極東地域の社会的背景、②教育現場が当時抱いていた日本語教育観、③日本語文法教育の手順・内容を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度は、20世紀後半から現在に至るまでの、ロシア極東地域(以下極東地域)における日本語教育史を分析した。 極東地域における日本語教育の当事者を対象にした研究は、これまでロシア人教員・大学生が主であった。2023年度における研究では、ユジノ・サハリンスク市で 14 年間(インタビュー時)日本語教育に携わっているA先生と、ウラジオストク市で22年間(インタビュー時)日本語教育に携っているB先生という、日本語ネイティブ教師に調査協力を受けている。インタビューデータをMAXQDA2018によって分析を行った結果、A 先生は2期、B先生は3 期の時代区分が妥当と判断した。また、それぞれがいかなる社会観を抱いたかも明らかになった。一連の分析から、地域社会からの要望や状況の変化に、両先生がいかに柔軟に対応してきたかが明らかになった。また先行研究で言及されている、海外における教育活動の必要条件を、両先生は実践を通して身に着けた可能性が高いことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究期間中、訪露を計画していたものの、長引く戦争のため実現に至っていない。また、日本に滞在していると思われた調査協力予定者も、私事などで調査が叶わなかったこともあり、インタビュー実現が部分的となった。
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今後の研究の推進方策 |
まずは教科書分析を継続する。『Учебник японского языка』には読解や会話のセクションもあり、時代性・政治性を反映していると思われる語彙も見受けられる。全3巻ある『Учебник японского языка』のどの巻が政治色のあるものとなっているか、定量的分析を行うことで立証する。この分析により、ロシア極東各地域での日本語教育の側面を、部分的にでも窺うことができると思われる。 次に、1990年代以降、ロシアの極東地域で日本語教育を始めた学習者、及び教員にインタビューを実施する。特に1990年代はロシア共和国誕生前後その後の経済混乱と重なっており、このような時代背景が彼らの日本語教育にどう影響したかを考察していきたい。
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