研究課題/領域番号 |
23K00635
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 神田外語大学 |
研究代表者 |
広瀬 和佳子 神田外語大学, 外国語学部, 教授 (60711752)
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研究分担者 |
市嶋 典子 金沢大学, 国際学系, 教授 (90530585)
寅丸 真澄 早稲田大学, 日本語教育研究センター, 教授 (60759314)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ダイアローグ・アプローチ / 教師間の協働的評価 / 実践研究 / 研究方法論 / 日本語教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、教師が教育実践を改善し、ともに学ぶ教師コミュニティを形成するために、新たな実践研究アプローチを開発することを目的としている。教師同士が対話を通して、自身の教育実践の記述と実践評価をともに行うことが、教育実践や教師自身にどのような影響を与えるのかを分析し、実践事例を類型化して提示する。このような教師による協働的評価を理論的に発展させ、実践研究方法論としてダイアローグ・アプローチという名称で確立することをめざす。
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研究実績の概要 |
日本語教育における実践研究は、授業者が自身の授業を対象に単独で行うものが多く、自己評価的要素が強い。そこで、2022年度に終了した研究課題(18K00716)では、実践研究に授業者以外の評価を取り入れる試みとして、教師間の対話による協働的評価を実施した。教師間の協働的評価は、評価する者とされる者が対等の関係で対話し、実践の記述と分析をともに行うことで自身および対話相手の実践に対する理解と省察を深める点に特色がある。本研究は、この協働的評価を発展させ、教師が実践を言語化し、他者との実践共有によって協働的な省察を行う実践研究方法論を構築することをめざしている。 初年度となる2023年度は、協働的評価の理論的枠組みを策定するため、研究者が自身を対象に行う研究(オートエスノグラフィー、エピソード記述、授業研究等)に関する文献調査と、教師間の協働的評価のデータ収集を平行して行った。文献調査については、研究分担者の所属機関で発表し、日本語教育を専攻する大学院生らと議論した。教師間の協働的評価のデータ収集については、研究協力者3名の協力が得られ、国内と海外の大学で実施した。国内調査の結果については、研究協力者と共著論文を執筆した(2024年5月現在印刷中)。論文執筆後も、対話による評価を継続し、2024年3月に言語文化教育研究学会で共同発表を行った。論文で分析したのは、主に授業を見る側の視点から捉えた評価であるが、協働的評価の特徴は、授業を見る側・見られる側両者それぞれの実践に影響を与える点にある。学会発表は、このような双方向性に焦点を当てたものであり、現在、論文化に向けて分析を継続中である。また、今後は授業観察を実施した海外調査との比較も行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
協働的評価に関心を示してくれる研究協力者3名を得て、実際に評価を実施することができた。しかし、国内の調査実施先の研究調査倫理審査において学外者の入室が認められず、授業観察が実施できなかった。そのため、国内調査は授業直後の授業者への聞き取りと学期終了後の振り返りを主とする形式で実施した。このような制約下にあっても、協働的評価の意義を示すことができ、一定の成果が得られたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度の発表を踏まえ、協働的評価が、授業を見る側・見られる側双方にどのような影響を与えたのかという観点から分析を行っていく予定である。そのうえで、2023年度に得られた、他の研究協力者との協働的評価のデータと比較し、実践事例を類型化して考察を深めていきたいと考えている。
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