研究課題/領域番号 |
23K00636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
峯 布由紀 上智大学, 言語教育研究センター, 教授 (00508509)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2027年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | コーパス / 日本語 / 談話分析 / 語用 / 第二言語習得 / データマイニング / 発達モデル / 中級以上 |
研究開始時の研究の概要 |
学習者の日本語力判定においては中級の判別が困難とされている。本研究はその基準の精緻化に寄与すべく、中級以上の日本語の発達モデルの構築を目的とする。研究方法は、学習者の発話コーパスに所収されている日本語母語話者と韓国語・中国語母語学習者のデータを分析し、データマイニングの手法を用いて、モデルの構築を行う。データマイニングは、複雑系の特徴とも言われる非線形データの解析に用いられる手法で、本研究の試みは、複雑系としての第二言語習得研究にも貢献できると考えている。
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研究実績の概要 |
学習者の日本語力判定において、中級レベルの判定が困難とされている。本研究では、データマイニングの手法を用い、韓国語母語学習者と中国語母語学習者の発話に見られる日本語の表現が中級から上級へとどのように拡がり、不自然な表現がどのように減少していくのかを明示的かつ網羅的に示し、それをもとに、中級以降の発達の予測を可能とするモデルの構築を目的とする。データは、国立国語研究所で公開されている「多言語母語の日本語学習者横断コーパス(I-JAS)」に収録されている韓国語母語学習者・中国語母語学習者、母語話者の発話データを用いる。 2023年度は、準備段階として、まずは母語話者のデータを分析して調査対象とする言語項目をしぼり、データにタグ付けをし、分析できるような形にデータに整えることを予定していた。計画としては、まず、各タスク(インタビュー、ロールプレイ、ストーリーテリング)の母語話者のデータを分析して調査対象項目を選定し、その後に、学習者のデータを分析ができるように加工する予定であった。 しかし、学習者のデータを見てみると、誤用とは言えないが、母語話者よりも学習者の方が使用頻度が高く、学習者の日本語のレベルが上がると使用が減少していく言語項目が見られる。データ設計上、このような項目をどのように扱うかをまず決めなければならないが、その前に、母語話者が当該言語項目をどのように使用しているのか、その特徴を把握する必要がある。そのため、その分析に時間を費やし、データ設計が終わらず、アルバイトを雇い、データにタグを付与する段階にまで至らなかった。 しかしながら、この母語話者の使用の特徴については、日本語の語用に関する新たな知見として2024年度に開催される日本語教育国際研究大会 (ICJLE)において発表する予定である(採択済み)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アルバイトを雇い、データの加工(タグ付け等)を行う予定であったが、母語話者の言語使用を確認するための談話分析が必要となり、データを加工する段階にまで至らなかった。また、体調を崩して入院したことも研究が遅れた理由の一つである。
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今後の研究の推進方策 |
予定より遅れてはいるが、データの加工はその後の分析に大きく影響するため、母語話者のデータも学習者のデータも確認をしながら、加工前に慎重に設計をしていく必要がある。 当初の計画では先に母語話者のデータのみを分析し、その後に母語話者のデータと学習者のデータを加工する予定であった。しかし、タグ付けやデータの加工前に、両方を見ていくことが必要であると感じたため、タスク(ロールプレイ、ストーリーテリング、インタビュー)ごとに母語話者・学習者の発話を確認し、調査対象項目を設定して分析をすすめ、最終年度に全体をまとめるという方向で研究を進めることとした。
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