研究課題/領域番号 |
23K00647
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
内野 駿介 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (80825456)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 訂正フィードバック / リキャスト / アップテイク / 文法知識 / 小学校英語教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,日本の小学校英語教育における訂正フィードバック(corrective feedback: CF)の実態及び効果を広く,深く検討することである。3ヵ年の研究計画で,2度の調査を行う。調査1においては,3つの単元の授業を撮影,分析し,教師のCFの特徴を明らかにする。調査2においては,調査1と同様のCFの分析に加えて,CFに対する児童の反応(uptake)及び単元前後での児童の文法知識及びスピーキング力の変化を分析し,CFに対する児童の反応,及びCFが言語習得に与える影響について検討する。
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研究実績の概要 |
本年度の主な研究業績は以下のとおりである。 <小学5年生の授業における教師の訂正フィードバック (corrective feedback: CF)> 本研究課題の先行実践である平山・内野(2022) について,小学校教員と大学教員による共同生成的アクションリサーチの実践として論文化した。論文は北海道教育大学紀要(教育臨床研究編)第74巻第2号に掲載された(以下,平山・内野, 2024として引用)。 <小学6年生の授業における教師のCF> 平山・内野 (2024) の発展的後継研究として,小学6年生の1単元全8時を対象とし,教師のCFおよびその周辺要因の変容を調査した。録画した授業映像を元に,教師のCFは単元を通してどのように変容するか(RQ1),学習者のerrorの種類ごとに教師のCFの割合は異なるか(RQ2),教師のCFの種類ごとに学習者のuptakeの成否の割合は異なるか(RQ3),学習者のrepairの種類ごとに教師のreinforcementが与えられる割合は異なるか(RQ4)に焦点を当てて分析した。分析にはLyster & Ranta(1997)の枠組みを用いた。また平山・内野(2024)で報告した5年生の実践についても同様の枠組みで再分析し,結果を比較した。分析の結果,(a)学習者のerror,教師のCF,学習者のuptakeの3者の関係は概ね5, 6年生で一致しているが,(b)単元を通した教師のCFの変容の様子や,uptakeの種類ごとにreinforcementが与えられる割合については学年間で一貫性が見られなかった。結果は第23回小学校英語教育学会近畿・京都研究大会,小学校英語教育学会2023年度北海道ブロックセミナー,北海道英語教育学会第24回研究大会で口頭発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は3ヵ年の研究計画の1年目であり,文献研究及び調査1における3つの授業観察(①5年生以外の学年の授業,②平山・内野, 2024とは異なる単元の5年生の授業,③別の教師による授業)のうち2つを行う予定であった。このうち,文献研究と調査1の①にあたる6年生の授業観察と分析については予定通り実施することができた。また,当初1年目には学会等での研究結果の公表予定はなかったが,3件の口頭発表を行った。また本研究課題の先行実践である平山・内野(2024)を論文化した。一方で,調査1における2つ目の授業観察は予定通りに行うことができず,調査の実施が2年目にずれ込むことになった。 以上から,総合的して(2)おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
2年目には,1年目に実施することができなかった調査1の2つ目の授業観察(②小学5年生の別の単元)に加え,当初の予定通り調査1の3つ目の授業観察(③別の教師の授業)と調査2を実施予定である。当初の研究計画では,調査2において同一の教師によるCF群と非CF群の比較を行う予定であったが,調査協力校の実態を踏まえると,同一の学年において同一の教師が異なる指導を実践して比較する研究の実施可能性は高いとは言えない。この点を踏まえ,2年目の研究計画を以下の通り変更する予定である。 ②小学5年生の別単元の授業観察と③別の教師の授業観察を同一の単元で実施する。③の授業は指導技術としてのCFに精通していない初任者教員等に協力を依頼する。②と③の前後に児童の文法知識及びスピーキング力のパフォーマンステストを実施し,調査2とする。
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