研究課題/領域番号 |
23K00682
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 獨協大学 |
研究代表者 |
木田 剛 獨協大学, 外国語学部, 教授 (70584415)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 言語景観 / 言語接触 / フランス語 / 公共空間 / インプット仮説 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の都市における公共・商業空間の言語景観に見られるフランス語や変異で現れた疑似フランス語のデータを収集し、一般言語学、都市社会学、人類言語学等の分析手法を用いて日本社会における「フランス語性」の状況を実証的に検証する。収集したデータを整理しながら、近年増えているこれらの言語記号の表記、読み、音韻配列などに見られる言語的特徴を分析し、日本の社会言語状況が日本語話者の語彙や日本語の語彙体系への影響を考察する。アンケート調査等で感情や言語態度の関連するエピ言語情報を明らかにすることで、言語記号の特徴・属性と社会の関心度や定着度との関連性を導き出す。
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研究実績の概要 |
日本の都市における公共・商業空間の言語景観に見られるフランス語や変異で現れた疑似フランス語のデータを収集し、一般言語学、都市社会学、人類言語学等の分析手法を用いて日本社会における「フランス語性」の状況を実証的に検証する。収集したデータを整理しながら、近年増えているこれらの言語記号の表記、読み、音韻配列などに見られる言語的特徴を分析し、日本の社会言語状況が日本語話者の語彙や日本語の語彙体系への影響を考察する。アンケート調査等で感情や言語態度の関連するエピ言語情報を明らかにすることで、言語記号の特徴・属性と社会の関心度や定着度との関連性を導き出す。本研究の目的は「言語景観インプット仮説」を検証することである。具体的には、日本の都市における公共・商業空間の言語景観に見られるフランス語と類似記号を実証的に分析し、外国語学習の実態との関連性を考察する。日本の言語景観がフランス語の視覚インプットとして機能するならば、フランス語学習者にもなんらかの影響を与えていると推測される。この影響(正・負の言語転移)を明らかにすることで、これまであまり改編されてこなかったフランス語学習教材に新たな指針を示したい。また、外国語教育研究を言語景観論の応用分野の一つと位置付け、都市社会言語学の語彙・音韻研究や人類言語学の言語アイデンティティ研究を活用する新たな方法論を構築する、応用言語学の理論的な深化も目指す。本研究は以下の3ステップに分けて進めることになっている。ステップ1「言語景観データの収集と定質・定量分析(Y1-Y2)」、ステップ2「印象・態度・感情等のエピ言語の調査(Y3)」、ステップ3「教育・学習活動への影響の解明(Y4)」。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本の言語景観に見られるフランス語と関連言語記号について、3つのステップに分けて分析すべく、2023年度はステップ1である「言語景観データの収集と定質・定量分析(Y1-Y2)」を開始した。研究内容として、言語景観データを収集し、分析にしやすいように整理している。より具体的には、言語的な特徴として、①アルファベット表記(例:フランス語特有のアクセントや特殊文字)、②読みの音韻的特徴(例:語末のシラブル)、③使用される単語の意味領域、④造語である場合、推測される語源・由来(複数の単語の場合は組み合わせのパターン)、言語外情報として、⑤使用場所(女性vs男性向け、店舗の業種、商品の種類など)、⑥その他の視覚的特徴(文体・フォントの種類、色等)を明らかにする。また、国内外の商業圏に的を絞り、フランス語のプレゼンスに関する現地調査でデータを補足しながら、比較実証性を高めるよう努める。なお、この「言語景観データの収集と定質・定量分析」は2024年度も継続されることになっている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は2023年度に開始したステップ1である「言語景観データの収集と定質・定量分析(Y1-Y2)」を継続する。なお、これはステップ2「印象・態度・感情等のエピ言語の調査(Y3)」とステップ3「教育・学習活動への影響の解明(Y4)」に続く予定であり、進捗状況により次のステップ2あるいは3にも取り掛かる。
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