研究課題/領域番号 |
23K00686
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
大崎 さつき 創価大学, 文学部, 准教授 (70546366)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 省察 / 模擬授業 / 教員養成 / ALACTモデル / J-POSTL |
研究開始時の研究の概要 |
教師の成長のためには対話的な省察や支援されながら実践を行う機会が必要である。そのため教職課程における模擬授業では実践を効果的に振り返るためのポートフォリオなどのツールを活用した指導が紹介されてきたが、それだけでは履修生の自律的な省察を促すことは難しい。指導教員による足場かけと履修生の省察を学びに繋げるための手順と工夫が必要であるが、いまだ体系化されたものはなく課題も見られる。そこで本研究では指導教員による省察を促すための指導技術を明らかにし、それらの指導技術を取り入れた日本の英語科教職課程の実態に合わせた省察方法を特定し、その省察方法をもとにした授業モデルを提案することを目標とする。
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研究実績の概要 |
教師の成長のためには対話的な省察や支援されながら実践を行う機会が必要である。そのため教職課程における模擬授業では実践を効果的に振り返るためのポートフォリオなどのツールを活用した指導が紹介されてきたが、それだけでは履修生の自律的な省察を促すことは難しい。指導教員による足場かけと履修生の省察を学びに繋げるための手順と工夫が必要である。そこで、本研究の目的は、中等教育の英語科教育課程における指導教員による教職生の省察を促すための指導技術を明らかにし、それらの指導技術を取り入れた日本の英語科教職課程の実態に合わせた省察方法を特定し、その省察方法をもとにした授業モデルを提案することにある。 令和5年度は、研究実施計画の1つ目として挙げていた中等教育の英語科教職課程における指導教員の省察に関する認識や省察を促す取り組みについて明らかにするため、全国の英語科教職課程の担当者に質問紙調査を送付し、省察指導の実態について調査した。その結果、英語科教育法では様々なツールを用いて指導を行っておりフィードバックや学びの変容などに活用されていることが明らかになった。 また、研究2年目に実施予定であった実践の事例として、2つの省察ツールを使用した省察的実践を行い、教職生の省察の深さの変容やその効果を検証した。その結果、表層的だった省察が徐々に自身の課題点に対して具体的にその内容を掘り下げ、新たな発見があったことで自信につながっていく様子がうかがえた。また、教職生によって省察するテーマが異なり、1つのテーマについて省察を繰り返す傾向があること、そして省察の深まりには個人差があることが示唆された。 今年度に実施したこれらの研究成果により、英語科教職課程における指導教員による教職生の省察を促すための支援方法を多角的な視点から検証することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) 令和5年度(1年目)に予定していた英語科教職課程担当者を対象にした教職生の省察力育成に対する認識やその取り組みについて実態調査することができ、その結果の一部を学会で発表できたため。この調査の詳細な分析や考察については、令和6年度に実施するフォローアップ調査結果を加えて行う予定である。 (2) 令和5年度に、令和6年度に予定していた省察的実践の一例として、2つの省察ツールを用いた指導を行い、教職生の省察の変容の様子や傾向の一部を明らかにすることができ、その成果を雑誌論文として発表できたため。さらに、指導教員のフィードバックが教職生の省察に与える影響について調査をするために、口頭と記述によりフィードバックをデータ分析のために収集し、テキスト分析を始めている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度では、以下の3点の計画を立てている。 (1) 前年度に実施した質問紙調査の回答者にフォローアップ調査として、前年度の結果から得られた疑問点についてさらなる質問紙調査を行う。また、インタビュー形式で、模擬授業に対する省察活動の詳細を聞き取り、その方法やフィードバックなどの指導教員による教職生の省察を促すための工夫や支援方法について調査する。 (2) 前年度に収集した指導教員の口頭と記述のフィードバックについて、フィードバックの種類や教職生への省察の影響について質的分析法で分析する予定である。 (3) 省察的実践の検討については、上述のフィードバック分析の結果とフォローアップ調査で明らかになった省察方法や指導方法を踏まえた上で、前年度の実践内容と方法を見直し、「英語科教育法」の授業で実施する予定である。 これら3点の結果については、学期発表ならびに雑誌論文として発表をする予定である。
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