研究課題/領域番号 |
23K00700
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
|
研究機関 | 北海学園大学 |
研究代表者 |
内藤 永 北海学園大学, 経営学部, 教授 (80281898)
|
研究分担者 |
石川 希美 札幌大谷大学, 社会学部, 教授 (40369236)
坂部 俊行 北海道科学大学, 全学共通教育部, 教授 (70337062)
山田 政樹 札幌大谷大学, 社会学部, 講師 (80868779)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 9マス英会話 / 教材開発 / 即時レスポンス能力 / スピーキング |
研究開始時の研究の概要 |
グローバル化によって英語に対するニーズは質的にも量的にも変化している。特に、ビジネスでは、英語による迅速なやり取りをする必要があるため、「概念を表す語彙を選択し構造化」する言語処理段階を鍛えることが欠かせない。本研究グループは、この言語処理段階に特化して訓練する『9マス英会話』という教材を考案し、3年間に渡り授業実践を重ねてきたが、本研究ではその教材の有効性を応用言語学の見地から実証する。日本とタイの大学生を対象にこの教材を使用し、この教材の使用前後で、発話語数、発話の抵抗感、使用語彙の特徴、英語表現の文法構造、伝達達成度を測定し、訓練を通じてどのような技能が習得されているかを解明する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、日本、台湾、タイの大学生を対象に「9マス英会話」教材を使用し、その効果を検証し、学生の英語発話の抵抗感を低減し、発話語数、使用語彙、文法構造、伝達達成度に与える影響を解明することを目的としている。
2023年度においては、まず初めに、「9マス英会話」教材を日本、台湾、タイの大学で利用できるようにWebアプリとして開発し、各国の大学で一貫して使用できる環境を整備した。その上で、2023年8月に、タイにおいて「9マス英会話」のワークショップを開催した。これにより、現地の教員に「9マス英会話」の学習指導のノウハウを伝達し、教材の使用方法を実践的に学んでいただいた。その後、約40名の学生を対象とした授業を実施していただき、「9マス英会話」の使用前後のデータを収集することができた。次に、Coffelt, Cosgrove and Vance (2022)による186項目の評価票を基に、コミュニケーション能力の評価を行うための日本語版評価票の作成については、予定通り実施することができただけでなく、日本では先行してデータ収集と分析を行うことができた。初期分析の結果、参加者の基本的なコミュニケーションスキルが大幅に向上し、特にメッセージの正確な伝達や情報の明確化能力において高い相関が見られた。これにより、「9マス英会話」教材が学生の英語コミュニケーション能力向上に実質的に寄与することが示された。
上記の研究活動の結果、日本の3大学およびタイの大学で、学生の発話語数と発話の抵抗感に関するデータを取り、教材の効果を検証するための基礎データを構築することができた。実施計画にあった台湾の大学に関しては、まだ接触を試みている途中という段階である。今後はこれらのデータを基にさらなる分析を進め、教材の有効性を包括的に検証する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、日本、台湾、タイの3カ国で「9マス英会話」の効果について実証研究を行うものだが、日本とタイに関しては当初計画より進んでいるが、台湾については未着手というのが現状であるため、おおむね順調に進展と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度に収集した日本およびタイのデータを詳細に分析し、初期結果を基に更なる知見を得ることが重要です。特に、発話語数の増加と発話の抵抗感の低減に関する具体的な要因を明らかにし、仮説の検証を行う。また、台湾の大学からもデータ収集を完了し、三国間での比較分析を進め、文化的・教育的背景が発話に与える影響についても検討する。
また、収集したデータと分析結果を基に、「9マス英会話」教材の内容をさらに改良し、学習効果を最大化するための最適化を図ります。特に、学生の発話能力に応じたレベル別教材の開発や、教師がより効果的に指導できるように使用マニュアルの改良を行う。。
|