研究課題/領域番号 |
23K00702
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 共愛学園前橋国際大学 |
研究代表者 |
藤枝 豊 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 教授 (60406288)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 英語教育 / 英語ライティング / 感受概念 / Thinking at the Edge / ライティング指導 |
研究開始時の研究の概要 |
第二言語のライティング研究において、学習者のライティングの不安など、感情に注目されている研究が多い一方、感情研究の結果はライティング指導に活用されていない。本研究では、Eugene Gendlinが提案した「Thinking At the Edge」という手法を用いて、学習者の英語ライティングの感情を文章化し、テーマ分析から具体的な指導法を開発することを目的としている。具体的な感情に基づくアプローチは、学習者の背景に合わせた指導を提供し、ライティング能力を向上させることが期待できる。また本研究は、質的研究において有用な知見を提供することが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究では、TAE理論から表現された感受概念の意味を具体的に読み取り、文章化し、感情の意図を解釈する。そして感受概念の意図から具体的な英語ライティング指導の開発を目指す。 令和6年度のデータ収集に向けた準備を行う。被験者の選出として、国際共創学科の学生20名を無作為抽出で選出し、被験者と研究者(申請者)間のラポール形成に取り組む。その後、TAE活動としてワークシートデータ(得丸, 2008)のTAE35のステップ手順に基づき、データ収集、被験者とのインタビューを実施する。令和7年度は、データ分析を行い、データの再確認やデータ結果および分析の妥当性の確認も行う。最終年度は、これまでの研究成果をまとめ、国内外での研究発表や学術論文の執筆を行う。 研究初年度(令和5年度)は、主に文献調査を中心に研究テーマに関する情報収集を行った。心理学、応用言語学、そして第二言語ライティングにおける最新の情緒研究を精査し、定性研究を用いた感情の言語化・可視化の意義をまとめた。国内外の書籍や学術雑誌を広く調査し、TAE理論の実践や新たな学術的見解を探った。その後、第二言語ライティングや英語教育学分野の学術雑誌に、TAEを用いたライティング研究の実行可能性に関する論文を執筆した。また、国外の学会への参加を予定していたが、円安と物価高のため予算面で影響があり、断念した。 初年度の実績として、韓国英語教育学会(Korea TESOL)でオンライン発表を行い、その内容をプロシーディングとしてまとめて出版した。文献調査をまとめた論文は未出版だが、令和6年度中の出版を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度を振り返ると、研究準備の確立ができたため、順調に文献調査を行い、研究を進展させることができた。研究初年度は、研究テーマに関する知識構築のために、第二言語ライティングと情緒についての研究をはじめ、Eugene GendlinのThinking at the Edge (TAE)理論とFocusingや感情の概念や定義をまとめるなど、国内外の論文を調査することができた。 初年度は文献調査をしつつ、レビュー論文を執筆も並行して行った。紀要論文と学術学会発表のproceedingsではあるが、出版することができた。現在執筆中の論文が出版まで至っていないが、当該研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度はTAE理論にもとづいたデータ収集に着手する。今年度から研究者の所属機関が変わったため、何よりも被験者とのラポール形成が必要となる。そのため、予定していたデータ収集開始時期が遅れる可能性があるが、長期休暇を利用して、データ収集の遅れを取り戻せるよう鋭意努力する。 今年度は、TAE理論とTAEワークシートをもとに、被験者の感受概念のワークショップを開催する。多様で複雑なデータになるため、ワークショップを実施しながらデータ収集を行う必要がある。研究者が被験者に明確な指示を出しながらworksheetデータを収集する。その後、被験者全員に個別インタビューを実施する。可能であれば追加のデータ収集を行いたいが、次年度にデータ分析の再確認と分析の助言を得ることができる時間を確保しているので、今年度が主にデータ収集を主な作業にしたい。 データ収集と同時に、執筆中の論文を仕上げ、国際論文に掲載できるようにする。また今年度も研究の結果を発表できる機会があれば、国内外の研究会で発表を行い、難しい場合は次年度の研究発表に向けたproposalの作成も行う。
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