研究課題/領域番号 |
23K00707
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
河内山 晶子 明星大学, 教育学部, 教授 (80350990)
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研究分担者 |
トム ガリー 東京大学, グローバル教育センター, 特任教授 (80447317)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 対話 / 省察 / メタ認知 / 自律的学習 / AI / 自律 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、自律的学習の鍵となるメタ認知の活性化に有効とされる省察を、オンラインによる協働的活動により試み、その有効性を検証して、「自律を引き出す省察に効果的な対話」のモデルを構築することである。本来「自己との対話」である省察が、教師との面接や学習者相互による省察といった「他者との対話」により深化するのか、深化するならどのような介入ややりとりが有効なのかを分析して指導に役立てる。本モデルの活用を通して、学習者の特徴別の効果まで分析するとともに、ライティング等の自律的学習において、実際にどのように成果を上げ得るのかも検証する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は「他者(最終的には自分自身)とのどのような対話が、自律的学習にむけての省察を促進するのに有効なのか」を明らかにすることである。対話によって促進される省察としては3つのタイプの省察が考えられる。それらは、①自分自身との対話によるS(Self)省察、教師との対話によるT(Teacher)省察、友人(パートナー)との対話によるP(Partner)省察である。初年度において、これら3つの省察を全てを試みた。まずS省察については、毎授業後に「ふりかえりシート」を書かせ、自分自身との対話をしながら授業や一週間の学習をふりかえるよう促した。また、P省察については、授業中になるべく時間を割いて、ペアで語り合いながらふりかえりをさせる時間を設けた。この活動をすることは、S(自己)省察の記述に深みを与えることになった一方、この活動自体をデータとして収集することはかなり困難であり、各ペアで展開しているその音声を録音するということには、更なる工夫検討が望まれる。また教師との対話で進めていくT省察は、当初、オンラインZoomでの1人用ブレイクアウトルームの活用を計画していた。しかしながら、深い省察に至るよう、心が通い合うラポールを重視するべきことが改めて痛感され、あくまでも対面での対話が望ましいとの考えから、相対しての対話を重ねることとした。その際のデータ収集は了解を取ったうえで行っているが、せっかくのラポールに影響の出ないようなデータ収集を更に工夫する必要があると考えられる。 また、今年度の外部機関での発表の機会としては、発表応募をあらかじめしていない状況であったため、公式発表は少なくなった。しかしそれを補って、親しい研究者仲間との協議の機会を多く持った。実際の対面での協議を数回重ねるとともに、遠距離の研究仲間とはZoomを活用して数回の協議を重ね、意見や助言を得ることがでた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた学会への参加が、個人的な事情によりできなかったため、予算(旅費)の一部が未消化となってはいるが、研究にむけた作業そのものは順調に進捗しており、3つのタイプの省察の機会を多くとりいれた授業展開も順調に進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年は、「省察活動のデータ化」に、より一層の努力を費やしていく予定である。どのようなデータ収集法が、対話活動および省察活動の妨げにならないのかを十分に配慮しながら進めたい。また、その分析方法としては何がふさわしいのかを様々な協議を経て検討していく。 昨年度までの協議では、質的分析としては、KJ法、なかでも、うえの式質的分析法が候補として最有力な状況である。また、本研究にとっての飛躍的展開として、新たな研究分担者を得た点をあげたい。これからの世界においてなくてはならない存在であるAIを考える時、本研究でも今後は、上述の3つのタイプの省察に加えて、「AIとの対話」というタイプも考慮する必要があろうと思われる。そこで第4の省察タイプとして「AIとの対話で促進する省察」を取り上げることとした。そのため、AI分野での造詣が深い研究者として、トム・ガリー氏に研究分担者として関わっていただくこととした。これにより、本研究がさらに意義ある展開となることが予想される。
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