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電子掲示板の匿名性を活かしたコメントフィードバックの英語ライティングに対する影響

研究課題

研究課題/領域番号 23K00725
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02100:外国語教育関連
研究機関中央学院大学

研究代表者

阿久津 仁史  中央学院大学, 商学部, 講師 (00973695)

研究分担者 飯野 厚  法政大学, 経済学部, 教授 (80442169)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード英語ライティング / 匿名掲示板 / フィードバック / 英語母語話者の評価 / 電子掲示板 / 匿名性 / コメントフィードバック
研究開始時の研究の概要

昨今のコロナ禍の下で学生同士の結びつきが希薄になる一方、SNSを通じて他者との結びつきを求める学生も多い。そこで、匿名の電子掲示板を活用した英文の投稿や他の学生からのフィードバックを通じて、英語学習意欲が高まり、ライティング力や学習意欲を高められるのではないかと考えた。100名の被験者に対して、事前事後の英語習熟度テスト、英作文力、学習意欲を測る質問紙によって、量的にデータ処理をして検証する。英語習熟度テストはTOEIC等を活用し、英作文力は、事前事後で「内容」・「論理/構成」・「語彙」・「文法」・「機械的技術」を英語母語話者に評価してもらい、英語学習意欲は6件法の質問紙を用いて検証する。

研究実績の概要

1年目は3つの研究を行った。研究1では、日本人大学生131名を対象に、SakaiのCMSを活用した電子掲示板を活用した英語ライティングと匿名のコメントフィードバックを半期で6回行い、事前事後のライティング力の変化を、4人の英語母語話者に「内容」・「論理/構成」・「語彙」・「文法」・「機械的技術」の5つの観点(各観点で5点満点)で評価して貰い、英語学力上位群と下位群に分けての分析を行った。研究2では、事後に英語のライティング力への影響に関しての質問紙調査を行い、影響を与えた要因を探った。研究3では、多重知能理論に基づく質問紙調査によって、コメントフィードバックが英語のライティング力に影響を与えやすい、もしくは与えにくい学生の内的要因を探った。
結果として、研究1では、上位群も下位群も同じように英語ライティング力の伸びを示した。研究2では、コメントフィードバックを貰うことにより、読者を意識して、話の流れを考えて、伝えたい内容を重視して書くようになった、という意識の変化が見られた。その要因として、コメントフィードバックを貰える、匿名なので間違いを気にせずに済む、という二つの項目が高かった。研究3では、多重知能理論の8つの知能の上位群と下位群に分けて英語ライティング力の伸びの差を分析したところ、「論理数学的知能」の上位群と下位群のみが有意差が見られ、他の知能に関しては有意差は見られなかった。
本年度は、電子掲示板を活用した匿名のコメントフィードバックが英語ライティング力に効果があることが明らかになり、その要因もある程度分かってきた。しかし、多重知能理論の中の「対人的知能」が高い群の方が、匿名のコメントフィードバックにより英語のライティング力が伸びるであろう、という仮説は検証できなかった。その要因を明らかにして新たな質問紙の活用や別の仮説の検証などが2年目以降の課題である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1年目で、英語学力の上位群や下位群を問わず、電子掲示板を活用した匿名のコメントフィードバックが英語ライティング力に効果があることが明らかになり、その要因もある程度は明らかになった。しかし、ある学会で、「どのような学生に対して効果があるのかを明らかにする方が、今後の英語教育に対する示唆となる」という意見を頂いた。そのため、当初の研究計画には無かったが、どのような特性がある学習者に対して効果があるのか、もしくは無いのかを明らかにするために、多重知能理論に基づく質問紙調査を行い分析した(研究3)が、仮説とは異なる結果となった。その要因は、質問紙の問題なのか、もしくは、仮説自体の問題なのかの検証が行えなかったため、2年目以降に持ち越しになったが、それ以外は、概ね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

以下の内容を進めていく、(1)匿名の電子掲示板を用いたコメントフィードバックの英語ライティング力に対する効果は、1年目に対象となった学生に対してのみであるのか、もしくは、ある程度普遍的な効果を予測できるのかを明らかにする、(2)その効果を英語ライティング力の伸びに加えて、英語学習意識や意欲を測る新たな質問紙を活用して検証する、(3)多重知能理論に基づく新たな質問紙を用いて、どのような特性がある学生に対して効果高いのか、もしくは低いのかを検証する。以上の3つの研究に対するデータ収集に関して本研究協力者と計画、実践をしていく。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 伍批判的思考力を育てる英文読解指導ー評価発問に着目して2024

    • 著者名/発表者名
      平川新、飯野厚、遠藤康子、三瓶理恵子、二川敬伍
    • 雑誌名

      ELEC同友会英語教育学会研究紀要

      巻: 20 ページ: 1-18

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Effects of online task-based peer interaction on leraners' speech development and attitudes toward English as a lingua franca2023

    • 著者名/発表者名
      Iino Atsushi & Winstner Brian
    • 雑誌名

      CALL for all languages - EUROCALL 2023 Short Papaers

      巻: 4 ページ: 211-217

    • DOI

      10.4995/eurocall2023.2023.16980

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 電子掲示板の匿名性を活かしたコメントフィードバックの英語ライティングに対する影響2023

    • 著者名/発表者名
      阿久津仁史・飯野厚
    • 学会等名
      外国語教育メディア学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 電子掲示板の匿名性を活かしたコメントフィードバックの英語ライティングに対する影響2023

    • 著者名/発表者名
      阿久津仁史
    • 学会等名
      日本応用教育心理学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Effects of online task-based peer interaction on leraners' speech development and attitudes toward English as a lingua franca2023

    • 著者名/発表者名
      Iino Atsushi & Winstner Brian
    • 学会等名
      EUROCALL 2023M Raykyvic, Iceland
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 異文化コミュニケーション能力尺度と英語スピーキング力の関係2023

    • 著者名/発表者名
      飯野厚・伊藤健彦
    • 学会等名
      第6回JAAL in JACET 学術交流集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 3.書名 高等学校英語検定教科書『My Way Communication English Ⅲ』(新刊)2024

    • 著者名/発表者名
      飯野厚(編集主幹)、田嶋美砂子、稲垣善律、和田俊彦、今井理恵、大畑甲太、加藤淳、將司敬子、外山 徹、藤井彰子、藤吉大介、Brian Wistner
    • 総ページ数
      160
    • 出版者
      三省堂
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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