研究課題/領域番号 |
23K00770
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鳥越 慎太郎 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 助教 (20743511)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 第二言語ポルトガル語習得 / ブラジルポルトガル語 / 学習者コーパス / 語彙習得 / 文法習得 / 教材開発 / ポルトガル語 / ブラジル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではブラジルのポルトガル語を学ぶ学習者の書き言葉を大規模に収集してデータベース(コーパス)化し、これに基づいて学習者の語彙使用と文法習得を明らかにしていくことを目的とする。語彙面では学習者の習熟度ごとの特徴語彙を明らかにしていく。また、文法研究では接続法を対象とし、時制形式別、表現別、学習者の習熟度別、母語別に、精緻な質的考察を行う。構築したコーパスは一般に公開し、共用の研究資料としてポルトガル語研究や教育・習得研究の分野へ貢献することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、主にブラジルのポルトガル語を学習する日本のポルトガル語教育や教材開発に還元可能な研究を目指し、ブラジル・ポルトガル語の様々なレベルの学習者の書き言葉を大規模に収集してデータベース(コーパス)化し、これに基づいて学習者の語彙使用と文法習得を明らかにしていくことを目的とする。コーパスは先にポルトガルで構築されたヨーロッパ・ポルトガル語の学習者コーパス、Corpora do PLE(リスボン大学)及びCorpus de PEAPL2(コインブラ大学)と互換性のあるデザインとする。 初年度は、ブラジルのパラナ連邦大学及びフルミネンセ連邦大学の協力を得て、Corpus de PEAPL2と同じ方法で、ブラジル・ポルトガル語学習者の作文コーパスを収集した。成果として16の母語話者からなる延べ93人の学習者から、総語数約16000語のコーパスを得た。これは延べ約400人、総語数約70000語のPLEと比較するとペースとしては半分程度の規模である。そのため、2024年度は2倍のデータを収集できるように、協力する2大学と交渉していく。一方で、PLEやPEAPL2には見られなかった、アフリカの地域言語やカリブ海のクレオール言語を母語とする学習者が合計11名見られ、多様性が確保された。 構築したコーパスは、コインブラ大学の了承を得て、PEAPBL2(Corpus de Producoes Escritas de Portugues Brasileiro como Lingua Segunda)と名付けた。その際、将来のコーパス完成後の同大学一般・応用言語学研究所との研究協力の約束を得ている。 また、PEAPBL2と先攻コーパスのPLE、PEAPL2を量的に比較した研究の発表が2024年2月にスペインコーパス言語学会に採択され、同5月に発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定では初年度は学習者コーパスの収集、構築作業に注力し、インターネット上で部分的に公開することを目標としていた。現状として、インターネット上での公開にこぎつけることはできていない。ただし、ウェブサイトの構築はできており、公開に向けた準備は整っている。 また、進捗の問題とは少し異なるが、収集できたコーパスも想定よりも小規模であったため、満足のいくものとは言い難い。この点は先述の通り、2024年度のデータ収集の際に協力機関のパラナ連邦大学及びフルミネンセ連邦大学と交渉して、2倍の時間を確保して2倍の量のデータを収集できるようにしたい。 一方で、2023年度の時点で、簡単な対照分析ではあるものの2024年度の国際学会での発表が採用されたことや、ポルトガルのコインブラ大学と将来の研究協力の約束を得られたことは、想定外の収穫であった。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り、2024年度も引き続きコーパス構築を進めながら、コーパスを分析して語彙習得研究にも着手していく。 先述の通り、初年度に収集・構築されたコーパスの規模が予想以上に小さかったため、2024年度は3~4万語のデータが収集できるよう、収集時間の延長を協力大学と交渉していく。 また、語彙習得研究は国外ではブラジル言語学会やスペインコーパス言語学会、国内では外国語教育学会など、年度後半の学会発表を目指して進めていく。最終的には前回の科研プロジェクトで行ったように母語話者コーパスや教材コーパスのデータと統合し、ブラジル・ポルトガル語学習者コーパスに基づく、日本人学習者向けとしてより妥当性の高い学習目標語彙リストを再提案することを目指す。 さらに、コーパスが完成する2025年度以降には学習者の叙法(接続法)習得研究にも着手し、年度後半にポルトガルで開催されるポルトガル言語学会での研究発表を目指す。 なお、構築したコーパスのウェブ上での公開は遅れているが、公開の準備は2024年5月の時点で整っている。そのため、部分的な公開は取り止め、2024年度のコーパス収集、構築が完了し次第、年度内にまとめて公開することとする。
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