本研究は、1955年から1961年まで新潟県知事を務めた北村一男(1897-1965年)の国際的な活動に焦点を当てることで、地方から見た日ソ関係史や、20世紀の東北アジア史を描くことを目的とする。北村は戦前、日魯漁業の社員としてソ連と深くかかわり、戦後は参議院議員や新潟県知事として活躍した。特に知事としては、訪米訪ソを果たし、北朝鮮にも訪問して帰国事業を推進するなど、外交にも積極的だった。加えて、新潟の米軍基地拡張反対運動にも深くかかわることになった。北村は新潟という地域と世界をつなぐ接点となった人物であり、彼を通じて、地域史から見た世界史叙述を試みる。
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