研究課題/領域番号 |
23K00804
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
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研究機関 | 長崎純心大学 |
研究代表者 |
滝澤 修身 長崎純心大学, 人文学部, 教授 (60640464)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2027年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | フロイス / イエズス会 / 『日欧文化比較』 / 日本文化 / ヨーロッパ文化 / 比較文化 / 比較思想 |
研究開始時の研究の概要 |
ルイス・フロイスは、フランシスコ・ザビエルとならんで、16世紀に日本で布教した有名なイエズス会宣教師である。彼は、九州の加津佐にて『日欧文化比較』という書物を執筆した。本書でフロイスは、611項目に渡り、日本と西洋文化の違い(人、宗教、寺院、医学、馬など)を観察し、コメントを書いている。私は、この611項目のフロイスのコメントを日本と西洋の視点から、注釈を付けたい。この作業を通じ、16世紀の日本と西洋の文化的背景や、文化の本質的な違いが理解できよう。グローバルな社会の中で、日本文化と西洋文化との本質とは何かという課題を究明してゆきたい。
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研究実績の概要 |
2023年度は、ルイス・フロイス『日欧文化比較』における各章のテーマに関する関連書籍を購入し、フロイスによる日本文化に関して、日本史の観点から注釈作業を行った。具体的には、日本人男性、日本人女性、日本人の子供、仏僧、寺院、日本食、日本の武器、馬、医療、書法、建築、船、日本の演劇、その他のフロイスの日欧文化比較の諸項目を取り扱った。主に古文書『和漢三才絵図』に書かれた当時の日本文化に関する記述を用いながら、本作業を進めた。研究成果は、スペイン語文にまとめあげた。 故イエズス会士のジョセフ・フランツ・シュッテ氏が、執筆されたフロイスの『日欧文化比較』(上智大学出版)に関するドイツ語の叙述の日本語訳を行った。シュッテ師が執筆された、本文章が日本語に翻訳されたことは、研究史上初めてのことである。今後、シュッテ師による『日欧文化比較』に関する諸分析も、私の研究に組み込んでいく予定である。 また、本年度は、サラマンカ大学の講師マヌエル・ゴメス・デル・ソル氏に、フロイスの『日欧文化比較』の各章の全文に関するヨーロッパ側からの注釈を依頼した。マヌエル氏は、現在注釈作業を行っている。 私は、2024年3月4日には、マドリードの王立マトリテンセ協会で『侍と西洋の騎士』をテーマに国際研究会を主催した。本研究会の中では、マヌエル・ゴメス・デル・ソル氏は、天正少年使節団と慶長遣欧使節団がヨーロッパ各地で、西洋音楽の伴奏による歓迎を受けたことを報告した。その中で、ルイス・フロイスの『日欧文化比較』に記されている音楽の日欧比較に関して詳しくコメントを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究は、やや遅れている感がある。滝澤が『日欧文化比較』に関して行っている日本史側からの注釈は順調に進んでいるが、スペインのサラマンカ大学講師マヌエル・ゴメス・デル・ソル氏による西洋史側からの注釈作業は、同氏が多忙であること、万全を期した研究を進めるためにやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
マヌエル・ゴメス・デル・ソル氏が、『日欧文化比較』のフロイスの観察した各項目について、西洋史側からの注釈を継続して行う。来年の夏までには終了する予定である。滝澤は、フロイスの日本観察を様々な文献を用い、さらに分析を深め、論文にまとめあげる予定である。今年度の10月6、7、8日のスペインのアリカンテ大学で開催される国際学会で、私と3名のスペイン人研究者のグルールが、フロイスの『日欧文化比較』の演劇と音楽の章に関する、研究報告を行う。
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