研究課題
基盤研究(C)
主君が家臣に土地を与えて一定の支配を認める地方(じかた)知行制は、採用する大名家が近世前期を通じて逓減したものの、大大名家に限れば維持されることが多かった。武士が土地を直接支配する同制度は、支配を受ける地域社会に及ぼす影響が大きく、その運用実態の究明と制度不採用地域との比較は近世社会の構造理解のために不可欠の課題である。そこで本研究では、先行研究に学びつつ、旧仙台藩領に伝わる武家・村方双方の史料について調査を行い、近世後期を中心に関連史料を抽出・分析する。そのうえで武士の生活実態と村における共同性のあり方を検討することを通じて、地方知行制が存続したメカニズムを究明しようとするものである。