研究課題
基盤研究(C)
本研究は、修験道がいつ、いかにして仏教的な山中修行全般とは違う独自のものになったかを明らかにしようとするものである。古典的な修験道研究では時間軸にそった検討が手薄であり、要因の分析も不十分であった。これに対する批判を通じて、「修験道」という概念が13世紀末~14世紀に現れたことが明らかになったが、「修験道」概念の定着以前に、山中修行全般と、修験道独自の要素との区別がいかになされたかに関しては、議論が進んでいない。本研究では、山伏・熊野本宮長床衆・験競べの歴史的解明に取り組み、修験道の独自性がいかなる側面に求められ、またいかにして確立したかを解明する。