研究課題/領域番号 |
23K00829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
志村 洋 関西学院大学, 文学部, 教授 (90272434)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 藩庁廻り村 / 家中名請地 / 大庄屋 / 外様小藩 |
研究開始時の研究の概要 |
播磨国の外様小藩である林田藩建部氏領(所領高1万石)を事例に、大庄屋(10ヶ村から十数ヶ村程度の村々を管轄した最上位の村役人)のなかでも、藩庁(城や陣屋)の目の前に居住した大庄屋の職掌や特徴を明らかにする。あわせて、藩庁廻りの大庄屋が居住した村の特質について、家中名請地(藩士自身が自身の名義で高請けした年貢地。年貢上納義務を負った)などの点から明らかにする。 従来の大庄屋研究全般では、藩庁廻りの大庄屋が持った特性が全く意識されておらず、大庄屋はすべて同質のものと理解されてきた。本研究は、藩権力の膝元に居住した大庄屋が藩領支配上持たされた独特の役割や、地域の特質解明を目指すものである。
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研究実績の概要 |
〝城廻り大庄屋〟の日常業務を調べるために、近世後期の林田藩大庄屋の役用日記についてアルバイトの協力を得つつ翻刻を行った。翻刻が終了した役用日記の年次は、文化2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、文政2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、天保7年、嘉永4年、5年、6年である。これらの翻刻原稿をもとに内容分析を進めている。 飛び地村文書の調査として、①林田藩士澤野家文書のなかに含まれる揖東郡吉美村(林田藩領)関係文書の内容調査と、②觜崎村(林田藩領)の石井家文書(未整理史料群)の目録取りを行った。あわせて、③紀州直川村(和歌山藩新宮領の飛び地村)の旧玉井家文書(未整理史料群)の目録取りを行った。②については、目録化した史料点数は史料群全体のごく一部(88点)であるが、觜崎村が藩領の物流拠点であったことから、今後重要な史料が発見されるだろうと考えている。③については、アルバイト学生の協力を得て、和歌山市への出張調査3回と本務校での写真撮影・目録作成を行った。その結果、仮目録レベルではあるが、7~800点の史料目録を作成することができた。 林田藩の〝城廻り大庄屋〟については現在関係史料を収集している段階のため、本格的な内容分析には至っていない。その替りとして、以前から研究を進めていた松本藩城廻り大庄屋文書を用いて、松本藩の家中名請地に関する論文「城廻り村と家中名請地」を、岩淵令治・志村洋共編『地域からみる近世社会』(吉川弘文館)にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度は関係史料の収集とデータ化(筆耕原稿作成、目録作成)を主眼にしているため、概ね順調に進んだと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、林田藩大庄屋の役用日記の翻刻作業を中心に進め、それと同時に、直川村旧玉井家文書の目録取りなどを進める予定である。觜崎村石井家文書の目録取りに関しては、文書管理者である大学図書館側の都合も考慮する必要があるため、よりよい作業の進め方を検討していきたい。今後、研究費が不足してくる可能性もあるため、そのような場合には、史料借用期限のある旧玉井家文書の目録取りを優先し、その他の大学所蔵文書の整理・調査は後回しにすることも考えている。
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