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中世吉備地方における寺院と村落の比較構造論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K00831
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03020:日本史関連
研究機関就実大学

研究代表者

苅米 一志  就実大学, 人文科学部, 教授 (60334017)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
キーワード中世寺院 / 吉備地方 / 古文書 / 荘園 / 法制 / 村落
研究開始時の研究の概要

研究の概要として、以下の4点を挙げる。(1)中世寺院古文書を悉皆収集し、特に寺院の組織形態を示す文書を抽出する、(2)寺院古文書から、中世における寺院と荘園村落との接点を抽出する、(3)村落共有文書を悉皆収集し、中世後期における寺座・宮座などの慣行を抽出する、(4)現行の寺座・宮座の慣行を参与観察も含めて調査・記録し、寺院組織が村落組織に与えた影響を跡づける。

研究実績の概要

2022年度末に『吉備地方中世古文書集成(4)美作豊楽寺文書』(就実大学吉備地方文化研究所、2023年3月)を刊行しており、全編の編集を行って古文書の写真と翻刻を公開した他、「解説 美作豊楽寺の中世古文書」の執筆を担当している。この成果に基づき、荘園内部の寺院における湯屋・風呂の提供について考察し、あわせて荘鎮守である志呂神社の所蔵古文書を利用して、名主による座の形成や維持についても考察した。さらに温泉と寺社との関係についても考察を進め、全国における「温泉神社」が仏教および僧侶と深い関連性を持ちつつ形成されてきたことを考察している。
ここにおける視角を応用して、さらに岡山県内・外の寺社において調査を進めた。特に美作方面では、岡山市建部町の豊楽寺・志呂神社、久米南町の誕生寺、津山市の奈義山菩提寺・中山神社・高野神社などで境内の踏査・実測などを行っている。他に岡山市の備中吉備津神社、総社市の宝福寺などの所蔵古文書を『岡山県古文書集』を底本として考察し、寺社と世俗との関係を探った。
これと併行して、中世初期における「氏人」概念についても検討しており、寺社における「氏人」の実態について、古代からの継承を意識して研究を進めている。「氏人」はもはや血縁集団ではなく、地縁集団であることは明らかであるが、その結集原理が如何なるものであり、寺社そのものは彼らにとって如何なる意義を有したのかを考察している。「氏人」を古代に遡及させることによって、寺院の形成そのものを古代に遡及させようとする偽文書の存在も確認しており、このことにより、特に寺院と氏人との不可分の関係を推測できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ対策の緩和により自由に調査旅行が可能となり、また学会も盛んに対面形式で開催されるようになったため、意識的・積極的に外部に出て、研究資料を収集し、また第三者の知見を得られるようになっている。

今後の研究の推進方策

中世初期における「氏人」概念は重要であり、これが後世の「寺座」「宮座」に継承される道筋を探りたい。9・10世紀における「氏人」の語の意義を確定させるとともに、吉備地方の寺社古文書において、如何なる「座」が存在したのかを探る予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 魚食と肉食のあいだ2024

    • 著者名/発表者名
      苅米一志
    • 雑誌名

      民衆史研究

      巻: 106 ページ: 19-29

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 書評と紹介 中澤克昭著『狩猟と権力』2023

    • 著者名/発表者名
      苅米一志
    • 雑誌名

      日本歴史

      巻: 906 ページ: 97-99

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 書評と紹介 中澤克昭著『狩猟と権力』2023

    • 著者名/発表者名
      苅米一志
    • 雑誌名

      上智史学

      巻: 68 ページ: 139-144

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Entanglements in the Buddhism of Medieval Japan ; Sects, Doctrines, and Pastoral Care2023

    • 著者名/発表者名
      KARIKOME Hitoshi
    • 学会等名
      Leeds International Medieval Congress 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [図書] Pastoral Care and Monasticism in Latin Christianity and Japanese Buddhism (ca. 800-1650)2024

    • 著者名/発表者名
      Gert Merville et al
    • 総ページ数
      280
    • 出版者
      LIT Verlag
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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