歴史書の編纂は古代中国で誕生、発展してきた。リアルタイムの政治・皇帝の動向を記録する起居注から、皇帝一代記的性質の実録、国の歴史をまとめる国史、そして後の王朝が編纂する正史。こうした編纂体制は形を変えながらも日本にも導入された。そして『続日本紀』以降の六国史については、その経緯もある程度判明している。しかし『日本書紀』については客観的記録がほぼなく、どのようにして編纂されたのかが極めて不明瞭である。 その中で、暦日はその編纂過程をある程度類推することが可能な貴重な存在であると考えられる。本研究では、暦日をデータ化し、他の歴史書のデータと比較することで『日本書紀』の特徴・特殊性を明らかにする。
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