研究課題
基盤研究(C)
本研究は、列島中世の禅僧・五山僧らの著作であるいわゆる五山文学が、人という現象を社会的所産としてだけでなく自然的所産としてもみようしている特色に注目し、「個人」の成立がどのように成し遂げられているのか否かをみる。有力者層の趣味的余業だという通念的理解から脱却し、非人論にも通底するような、社会に埋没しきらない「個人」の成立という問題を考える信仰史料として、五山文学を読み直すことをめざす。