研究課題/領域番号 |
23K00846
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
栄原 永遠男 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 客員教授 (80102979)
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研究分担者 |
渡辺 健哉 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (60419984)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 山根徳太郎 / 興亜院 / 代谷清志 / 難波宮 / 海軍公館 / 北京 / 都城 |
研究開始時の研究の概要 |
新出の山根書簡は、日中戦争下の1941年と1942年において、日本人研究者が中国においてどのような学知形成を行ったのか、その実態と限界を示す重要史料である。また、当該時期の北京を中心とする中国と日本国内の社会状況をよく示しているので、これを翻刻・公刊して学界に提供する。 山根書簡の内容を精査して、山根が戦後において難波宮の研究に邁進する契機が在外研究期間における学知形成にあることをしめす。 山根書簡に現れる北京を中心とする中国、および留守家族のいる日本の社会情勢を研究する。
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研究実績の概要 |
1)新出の山根徳太郎関係書簡群について、2020年10月以来毎月1回オンラインによる研究会を継続して行ってきたが、今年度はその第29回から第40回までを実施した。これにおいては、すでに用意している翻刻原稿の文字が正確かどうかを書簡の写真と照らし合わせて確認し、また必要に応じて脚注を付す作業を行った。脚注作業において生じた疑問を解決するために、どこで調査を行ったらよいのかを確認した。 2)4月13日に山根書簡所蔵者宅(和歌山県)を訪問し、以前に借用していた写真類を返却するとともに、別の写真・資料類を借用した。この新たに借用した資料については、整理とデータ化を行った。また本科研により山根書簡を復刻刊行することについて、所蔵者の許可を得て、その旨の確認書に署名をいただいた。 3)『大阪公大日本史』第26号(2023年5月)に「山根徳太郎の北京在外研究と難波宮研究―新出の「山根書簡」をめぐって―」を執筆し、山根が戦後に難波宮研究に集中する契機が昭和16年から17年の北京在外研究にあった事を明らかにした。また7月22日に山根先生を偲ぶ会において「山根先生はなぜ難波宮研究を思い立ったのか?―北京留学の成果―」の講演を行い、在外研究における山根の北京での生活について述べた。 4)9月13日から14日に、研究協力者2名が筑波大学・国会図書館に出張し、山根徳太郎の東京高等師範学校在学当時の資料その他を調査した。 5)2024年2月19~20日に、研究代表者・研究分担者・研究協力者3名の計5名にて、外務省外交資料館・国会図書館・防衛省防衛研究所に出張して、関係資料の調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)毎月のオンラインによる研究会において、山根書簡を翻刻したものについて、文字の確認、脚注の執筆を継続して行っている。 2)所蔵者宅にある関係写真・資料について借用し、データ化を進めている。 3)山根自身や、書簡に出て来る主として海軍関係の人物について、筑波大学・防衛省防衛研究所・外務省外交資料館・国会図書館等に出張して調査を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
1)オンライン研究会を継続して、山根書簡の翻刻の正確さを増す。また脚注を充実して、最終年度の刊行に向けて準備を進める。 2)山根書簡の内容理解のために、昭和16年から同17年当時の北京と京都の状況を更に明らかにしてゆく。そのためにオンラインでは閲覧できない資料を中心にして、関係機関に出張して調査を進める。
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