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荷札木簡の総合的分析による律令税制の成立と展開の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K00858
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03020:日本史関連
研究機関奈良大学

研究代表者

渡辺 晃宏  奈良大学, 文学部, 教授 (30212319)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワード荷札木簡 / 律令財政史 / 律令税制 / 諸国貢進物 / 贄 / 木簡学 / 出土文字資料
研究開始時の研究の概要

長屋王家木簡と二条大路木簡によって飛躍的に増加した8世紀の荷札木簡、及び石神遺跡や飛鳥池遺跡の木簡によって実態解明が進んだ7世紀の荷札木簡について、個別にその情報の総合的検討を行う。
これを踏まえ、国ごとに租税貢進の実態を解明し比較検討する。そして、701年の大宝令施行前後における連続・非連続を検証し、既往の文献資料との整合的な解釈を図りながら、律令税制の成立過程とその後の改変について実証的に解明する。そして、中男作物の創始や、専当国司制の導入など、8世紀における税制の改変についても荷札木簡という一次史料から再検討し、文献資料との融合を図っていきたい。

研究実績の概要

研究の初年度に当たる2023年度は、研究の素材となる基礎的なデータの作成に重点的に取り組み、特に8世紀の荷札木簡について、基本的な情報の整理・検討を行った。対象としたのは、平城宮跡出土木簡に関する、奈良(国立)文化財研究所『平城宮木簡一』・『平城宮木簡二』・『平城宮木簡三』・『平城宮木簡四』・『平城宮木簡五』・『平城宮木簡六』・『平城宮木簡七』の7冊の正報告書、及び平城京跡出土木簡に関する同研究所『平城京木簡一』『平城京木簡二』(いずれも平城京跡左京三条二坊出土木簡を対象とし、主体は長屋王家木簡)に掲載されている諸国の荷札木簡である。
写真図版に基づいて、別冊解説の釈文の確認・再検討を行いつつ、国別に荷札木簡の整理を行った。確認した情報は、釈文の他に、税目・品目・数量、年代、法量、型式番号(形状)、遺跡名(あるいは平城宮における遺跡の性格)、出土遺構名(遺構番号)、出典などで、調・庸・中男作物・贄・白米(舂米)・地子などの税目ごとに整理した。税目の記載のないものについても、可能なものについては極力推定作業を行った。また、年代の記載のないものについても、木簡及びその他の共伴遺物から推定可能なものはおよその年代把握を行った。
整理・検討した荷札木簡には、一部に釈文の再確認が必要と思われるものもあったが、奈良文化財研究所における検討作業は次年度以降の整理・検討後にまとめて行うこととし、今年度は実施しなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究においては、研究の素材となる基礎的な資料収集を行い、整理・検討する作業が大きなウェイトを占める。現在はまだまとまった形で成果を公表できるような状況にはないが、4年間の研究のうち、最初の2年程度をこれに当てる予定であったことから、おおむね当初の予定通り順調に進捗していると判断できる。

今後の研究の推進方策

研究の第2年度に当たる2024年度は、1年目に引き続き、平城京跡出土木簡に関する『平城京木簡三』、藤原宮跡出土木簡に関する『藤原宮木簡一』『藤原宮木簡二』『藤原宮木簡三』『藤原宮木簡四』、飛鳥藤原京跡出土木簡に関する『飛鳥藤原京木簡一』『飛鳥藤原京木簡二』などの正報告書について、1年目と同様の作業を継続し、基礎的なデータの集成に努める。また、奈良文化財研究所での釈文の確認作業や、未報告の荷札木簡の調査もできれば2024年度に行いたい。また、正報告書未刊行で、木簡概報(『平城宮発掘調査出土木簡概報』と『飛鳥藤原宮発掘調査出土木簡概報』)のみのものについては、奈良文化財研究所で写真台紙の閲覧を行って、これらの作業を補完したい。
上記までの作業を踏まえて、2025年度には、7世紀の荷札木簡と8世紀の荷札木簡の国別の比較を行い、大宝令の施行を境に荷札木簡の内容に変化がないか、国ごとに検討し、国ごとの特徴を明らかにし、その特徴が何に由来するものか考察する。
また、2024年度・25年度には、代表的な荷札木簡出土国について現地踏査と博物館見学を行い、荷札木簡の考察に生かせるように努める。そして、2025・26年度において大宝令施行に伴う律令税制の成立、及び展開の検討を行い、律令制以前のツキ・ニエ未分化の原初的な税制から、大宝令施行による調・庸・年料舂米を中心とする税制がいかに生み出されていくのかを、税目別に考察する。また贄の分立過程についても、ヒントになる情報がないか注意しつつ、最終的な成果を論考の形でまとめていきたい。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 奈良大学史学科所蔵「正倉院御宝物之図」2024

    • 著者名/発表者名
      渡辺晃宏
    • 雑誌名

      奈良史学

      巻: 41

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 古代木簡と多賀城2023

    • 著者名/発表者名
      渡辺晃宏
    • 学会等名
      宮城県多賀城跡調査研究所多賀城歴史講座特別講演会(2023年11月12日)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 青の里の木簡と奈良の都2023

    • 著者名/発表者名
      渡辺晃宏
    • 学会等名
      福井県高浜町青郷公民館開館20周年記念講演会(2023年11月26日)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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