研究課題/領域番号 |
23K00860
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 公益財団法人三井文庫 |
研究代表者 |
萬代 悠 公益財団法人三井文庫, 社会経済史研究室, 研究員 (00755093)
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研究分担者 |
山澤 学 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60361292)
志村 洋 関西学院大学, 文学部, 教授 (90272434)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 近世畿内 / 豪農 / 金融 / 身分 / 田安徳川家 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまで未整理かつ未解明であった「外山家文書」を整理、分析し、近世畿内屈指の大規模豪農・外山家の金融業と身分を明らかにするものである。法制度や慣習が異なる畿内の支配錯綜地域で、外山家のような大規模豪農が明治初年まで経営を維持、拡大できた要因を探ることは、経済史的にも社会史的にも極めて重要な作業である。本研究では、「外山家文書」に残る数多くの経営帳簿や証文類、日記類をいちから整理し、これらの分析を通して、多様な主体を結び付け、広域的な金融圏の中軸となった豪農の関係構築の背景と要因を解明する。
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研究実績の概要 |
本年度においては、アルバイト4名を雇用し、「外山家文書」(筑波大学大学院人文社会科学研究科蔵)を整理する作業から開始した。「外山家文書」は段ボール箱70箱に及ぶが、まずは20箱を筑波大学から預かり、茶封筒から中性紙封筒に入れ替えつつ目録を作成する作業をおこなった。目録作成にあたっては、表題や作成年月日だけでなく、作成者や宛先の人名を漏らすことなくすべて記入し、参照の利便性を高める工夫をほどこした。この作業の結果、17箱、388点の整理を完了した。 17箱のなかには、検地帳や名寄帳、年貢米勘定帳などの基本台帳はもちろん、収納年貢の量と内訳を示した年貢皆済目録類、戸籍簿に相当する宗門改人別帳が数多く現存し、これらは外山家とその居村の基礎的情報を解明する重要な史料として期待できる。一方で、外山家が所有、管理した多数の新田に関する史料も多くみつかり、今回の整理を通して新田への投資家としての性格をも明らかにできることがわかった。 本研究で重視する金融業については、外山家が関宿藩久世家や尾張藩徳川家に融資した記録や、尾張藩の要請を受けて資金調達に従事した記録を確認することができた。外山家は尾張藩の公金貸付にも関与していたようで、これは資産運用の経路として今後解明していくべき重要な課題である。のこり53箱のなかには融資関連史料も多くあると思われ、外山家が諸領主とどのように金融関係を持ったのかを検討することができるはずである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アルバイトを複数人雇用し、「外山家文書」の段ボール箱、全70箱のうち17箱を整理することができた。
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今後の研究の推進方策 |
来年度には、アルバイト雇用人数を増やし、目録作成と撮影をより進める予定である。
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