研究課題/領域番号 |
23K00861
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 山梨県立博物館 |
研究代表者 |
海老沼 真治 山梨県立博物館, 山梨県立博物館, 学芸員 (20574156)
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研究分担者 |
中野 賢治 山梨県立博物館, 山梨県立博物館, 学芸員 (10746332)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 戦国大名 / 家臣 / 古文書、家伝文書 / 甲斐、武田氏 / 系譜史料 / 武田氏 / 家伝文書 / 中近世移行期 |
研究開始時の研究の概要 |
戦国大名研究は関係史料の収集・編纂によって進展している一方、大名を支えた家臣団については、とくに戦国期に滅亡して近世まで存続しなかった大名の家臣の場合、史料収集や研究の余地が残されている。この課題の解明に有効な素材となるのが、家臣の家に代々伝わった文書群(家伝文書)である。 本研究では甲斐武田氏家臣の家伝文書を主な対象として、史料収集・分析をとおして家臣団の構造や特質を考察する。また近世以降に蓄積された史料から、家臣の系譜関係や大名滅亡後の動向を追跡する。家伝文書を一武士の家の歴史を紐解くためだけでなく、戦国期~近世の転換期を考察するための史料として位置づけることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、過去に実施した科研費による基礎的研究によって、研究手法・手順を次のように設定している。1.戦国大名家臣研究の基礎史料の整備・充実化を図り、大名家臣団の構造等を追究すること(戦国期の文書を中心とした調査)。2.家臣の近世における動向の分析を通して、中近世移行期武家社会の特質を見出すこと(近世以降の文書・系譜史料を中心とした調査)が主な手法となっている。具体的な作業としては、文書原本の実見調査と撮影によるデータの集積を中心とし、初年度は以下の調査を実施した。 関連資料調査は「市河家文書」等の山梨県立博物館所蔵資料を中心に行い、他に翻刻資料集による資料収集を行ったほか、彦根城博物館、米沢市上杉博物館、静岡市歴史博物館等、関連する博物館での調査・企画展示の視察を行い、基礎的資料・情報の収集をはかった。全体的に、上記手法1の戦国期の文書の調査は豊富に実施することができたものの、手法2の近世以降の資料調査については十分に行うことができなかった。また、当初想定していた所蔵機関への調査が実施できなかったところもあり、これらの点は次年度以降の課題となる。 このほか、県内各所で行った講座・講演の中で、本研究に関連するテーマで実施したものもあり(「天正壬午の乱と徳川家康」(韮崎市中央公民館)、「信玄の死と家臣の動向」(甲府市教育委員会)、「楯無鎧と武田氏」(甲州市教育委員会)、「山本菅助」(昭和町教育委員会)等)、その中で研究成果の一部を還元するとともに、新たな情報の整理を行うことにもつなげることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、古文書所蔵機関を訪問しての実見調査を予定していたが、2023年5月からの新型コロナウイルスの5類移行に伴い、所属における新規業務が増大したことなどの影響により、調査時間を十分に確保することができず、未実施となってしまったものが多かったことが主な原因である。翻刻史料集やデータベースなどを活用した情報収集により、不足分をある程度補うことはできた。
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今後の研究の推進方策 |
所属における業務量については、初年度にくらべてある程度見込みが立てられるので、本研究実施のための時間を確保できる時期に集中的・効率的に調査を行えるよう、調査対象機関との調整を行うこととしたい。 研究計画や手法に変更はないが、分担者・協力者の協力を得ながら、史料調査・分析の量的増大を図ることとしたい。
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