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20世紀前半のインドネシアにおける「イスラームの現地語化」:中東アラブ地域との議論

研究課題

研究課題/領域番号 23K00866
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
研究機関京都大学

研究代表者

山口 元樹  京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (60732922)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード東南アジア史 / インドネシア / イスラーム / 中東アラブ地域 / クルアーン / アラブ地域
研究開始時の研究の概要

本研究は、クルアーンのインドネシア語への翻訳をはじめとする20世紀前半のインドネシアにおける「イスラームの現地語化」について考察する。特に着目するのが、インドネシアのムスリムと中東アラブ地域のムスリムとの定期刊行物における議論である。本研究では、両地域間の比較や影響関係を踏まえながら、「イスラームの現地語化」に関するインドネシアのムスリムの見解とその背景にある教育や言語に関する社会的・文化的な状況を検討していく。本研究の目的は、宗教の言語と民族の言語という観点から、イスラーム共同体と国民国家の関係をめぐるインドネシアのムスリムの認識を解明することである。

研究実績の概要

本研究は、クルアーンのインドネシア語への翻訳をはじめとする20世紀前半のインドネシアにおける「イスラームの現地語化」について考察する。特に着目するのが、インドネシアのムスリムと中東アラブ地域のムスリムとの間の定期刊行物における議論である。本研究の目的は、アラビア語とインドネシア語、すなわち宗教の言語と民族の言語という観点から、イスラーム共同体と国民国家の関係をめぐるインドネシアのムスリムの認識を解明することである。
当該年度は研究に必要な資料を集めるために、2023年8月と2024年2月にインドネシアのジャカルタで調査を行った。ジャカルタにある国立図書館および国立公文書館で、20世紀前半に発行されたインドネシア語の定期刊行物(新聞・雑誌)やオランダ植民地政庁の報告書などを調べた。この調査によって、インドネシアと中東アラブ地域(主にエジプトのカイロ)のムスリムの間での交流や定期刊行物における議論に関して多くの情報を入手することが出来た。
上記の資料の分析に基づく研究成果の一部は、2023年8月にインドネシアで開かれた国際シンポジウムと2024年1月に京都で開かれたシンポジウムで発表した。インドネシアでのシンポジウムの報告内容は英文論文として執筆中である。さらに、国際誌Die Welt des Islamsにも英語論文を投稿して受理された。それらの中では、インドネシアのムスリムによる中東アラブ地域の思想の選択的・恣意的な受容や、カイロ留学経験者やアラブ系住民といったインドネシア・ムスリム内の両地域の仲介者の役割について明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は当初予定していた研究課題をほぼ実施することができた。特に国際誌に英語論文が受理されたことから、早い段階である程度まとまった研究成果を提示することができたと言える。
ただし、当該年度の研究では、中東アラブ地域からの影響をインドネシアのムスリムがいかに現地化したのかという点を明らかにしたものの、研究課題の中心的な内容であるクルアーンのインドネシア語への翻訳については直接言及することができなかった。これは、クルアーンの翻訳をめぐる議論が、インドネシアやカイロに限らずイスラーム圏の広い地域で話題となっており、幅広い文脈の中に位置付けなければならないことが分かったためである。

今後の研究の推進方策

2024年度はオランダとインドネシア(もしくはエジプト)で資料調査を行う計画である。これまでの調査から1930年代前半にクルアーンをアラビア語以外に翻訳することの是非が様々な地域で大きな議論になっていたことが分かった。そのため、インドネシア語の定期刊行物やオランダ植民地政庁の報告書に加え、まずはカイロなどで発行されたアラビア語の定期刊行物を集める必要がある。
研究成果としては、2023年11月に京都大学の東洋史研究大会で20世紀前半のインドネシア人によるカイロ留学に関する報告をすることが決まっている。また、Die Welt des Islams誌に投稿した論文が出版される他、2023年8月に行った発表内容をもとに論文集に掲載する英語論文を執筆する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] インドネシア独立運動の中のアラブ系住民:帰属意識の変容と「リベラル」なイスラーム解釈2024

    • 著者名/発表者名
      山口元樹
    • 学会等名
      2023年度海域アジア・オセアニア研究(MAPS)国際シンポジウム・全体会議「移住とアイデンティティ」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Islamic State Concept of NU: Traditionalist Muslims in the Late Dutch Colonial Period2023

    • 著者名/発表者名
      Motoki Yamaguchi
    • 学会等名
      Islamic State Concept of NU: Traditionalist Muslims in the Late Dutch Colonial Period
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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