研究課題/領域番号 |
23K00869
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小笠原 弘幸 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (40542626)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | オスマン帝国 / カリフ / スルタン / スレイマン一世 / 歴史叙述 / 正統性 / 王権 / 終末論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、オスマン帝国のスレイマン一世治世(位1520~66年)及びその前後の時代に焦点を当て、オスマン王権のもつ正統性のあり方を、主として聖性に着目して検討する。そのうえで、同時代に成立したサファヴィー帝国やムガル帝国における宗教・政治思想との影響関係を比較検討し、オスマン王権の持つ正統性の独自性と普遍性を明らかにすることを目的とする。そのさい、年代記などの基本的な史料に加え、終末論や宗教書などの史料も参照し、より幅広い視点から解明することを試みる。
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研究実績の概要 |
本年度は、本研究課題を推進するための基礎固めを行った。具体的には、トルコの書店からの基本書籍の購入、オスマン史関係の研究会・学会への参加による関連事項の学習、そして関連史料の読解である。とくに関連史料の読解については、スレイマン一世時代の基本史料の一つである『ペチェヴィー史』の翻訳を進めた。本史料の成立は17世紀前半であり、スレイマン一世期の同時代史料とは言えない。しかし、他史料には見られない独自の情報が含まれていることで知られている。本年度に読解した箇所は、序・スレイマン一世の偉大さと事績を讃えた部分・王子や大臣たちの経歴を記した部分である。とくにスレイマン一世を讃えた部分は、本研究課題のテーマである王権と聖性にとって重要な示唆を含んでいるといえる。本史料の読解は、本研究課題の推進に重要な基礎を提供すると同時に、本史料の翻訳そのものも、研究成果として発表していく予定である(大部の史料であるため、分冊という形になる)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、研究課題全体の準備をすすめるための期間として、おおむね順調に進展したといえる。
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今後の研究の推進方策 |
二年目である2024年度は、2023年度にひきつづき、『ペチェヴィー史』の読解をすすめる。また、ペルシア語年代記である『諸史の光輝』などとの構造的比較も試みる。こうした史料読解の成果をもとに、オスマン王家の権威と聖性についての学術論文を執筆する予定である。
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