研究課題/領域番号 |
23K00873
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
五十嵐 大介 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (20508907)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | マムルーク朝 / 軍事奴隷制度 / 寄進 / 家族史 / イスラーム史 / エジプト / シリア / 政治史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、マムルーク朝(1250-1517)の政治権力体制と軍事奴隷制が「14世紀の危機」の中でどのような影響を受け、どのような変化を遂げたのか、検討する。 ポスト・アヤロニズムと呼ばれる、マムルーク朝史研究および軍事奴隷制研究のパラダイムシフトが進むなかで議論されている三つのテーマ、①マムルークの人間関係の実証的分析を通じた軍事奴隷制論の再検討、②「軍人パトロネージ国家論」に基づいた13-14世紀のマムルーク朝政治権力体制の再解釈、③15世紀のマムルーク朝政治権力体制の質的変化の研究、の三つに対して、「14世紀の危機」がもたらした人口動態・経済・社会的変化との関連を探り、新たな議論を提起する。
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研究実績の概要 |
4月には公益財団法人東洋文庫にて外来研究員の資格を得て、同館所蔵のアラビア語史資料の閲覧・複写を行った。 6月にはブラウン大学(アメリカ)で開催された第9回国際マムルーク会議(The School of Mamluk Studies)に参加した。特に本研究課題と大きく関係するマムルーク朝の人種をテーマとしたセッションに出席し、報告者たちと意見交換を行った。 また、シカゴ大学中東文献センターでの資料調査を実施した。同センターでの調査はこれまで何度も行ってきたが、今回新たに未整理のワクフ(寄進)文書のコピーが収蔵されていることを発見し、資料の調査と複写をすることができた。今後の研究に大きく寄与する成果を得ることができた。 同時並行して、ワクフ文書を史料として、マムルーク軍人の家族関係について考察した論文「マムルークの家族:ワクフ文書の受益者規定から」を執筆、投稿した。本論文は『東洋史研究』82巻3号に掲載され、12月30日に刊行された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
シカゴ大学図書館での資料調査において、当初の想定を上回る成果が得られたため。これをもとにさらなる研究成果が得られると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
シカゴ大学で収集した史資料の分析研究を進める。また、中世西アジアの軍事奴隷制度や軍事・政治史を専門とする内外の研究の分析や研究者との交流を通じて、マムルークたちの政治・社会関係を分析する上での比較の視座を得たいと考えている。
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