研究課題
基盤研究(C)
本研究は、マムルーク朝(1250-1517)の政治権力体制と軍事奴隷制が「14世紀の危機」の中でどのような影響を受け、どのような変化を遂げたのか、検討する。ポスト・アヤロニズムと呼ばれる、マムルーク朝史研究および軍事奴隷制研究のパラダイムシフトが進むなかで議論されている三つのテーマ、①マムルークの人間関係の実証的分析を通じた軍事奴隷制論の再検討、②「軍人パトロネージ国家論」に基づいた13-14世紀のマムルーク朝政治権力体制の再解釈、③15世紀のマムルーク朝政治権力体制の質的変化の研究、の三つに対して、「14世紀の危機」がもたらした人口動態・経済・社会的変化との関連を探り、新たな議論を提起する。