研究課題
基盤研究(C)
本研究は,清朝(1616~1912)の八旗において「包衣」と呼ばれた家人身分の人びと・組織を取り上げ,旗人社会におけるかれらの存在意義・機能を分析し,清朝政権をどのように特色づけていたのかを明らかにする。明朝(1368~1644)と異なり清朝では,皇帝・皇族の近侍者の役割を宦官ではなく主に包衣が担い,側近としての側面が注目されている。しかし従来は皇帝直属の上三旗包衣(家政機関である内務府の包衣)の研究が中心であり,旗王(有力皇族)らの下五旗包衣(王府の包衣)は,零細・卑小な存在として等閑視されてきた。本研究では,八旗の包衣およびその組織の全体像を把握し,清朝の重要な特徴の一つとして位置づける。