本研究は17~19世紀にかけての朝鮮における、薬用植物の利用・流通・消費の解明を目的とする。近世の東アジアでは薬用植物の生産と流通が拡大したが、その朝鮮での医療用以外の消費拡大の背景について、医食同源の日常生活における利用状況を探る。開始年度はデータベースや公刊史料を用いた国内での調査を中心とし、2年度目以降は1年に1,2回程度海外での未公刊史料調査を予定する。本研究は世界的に注目される植物資源の利用史について、朝鮮半島の事例を提示する。また、韓国の歴史ドラマや映画により朝鮮王朝に対する関心の高まっている日本社会に成果を提供し、日本における朝鮮王朝史理解を深める。
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