研究課題
基盤研究(C)
本研究は、これまでの中世イスラーム世界史研究において繰り返し指摘されてきた人々の移動が広域にわたっていたという理解を統計的手法を援用して再検討し、その実態を解明するものである。具体的には、アラビア語で書かれた人名録の検討を通して、中世イエメンを出立する人々あるいは流入する人々の移動が有する地域性・時代性・空間的重層性を定性的・定量的に分析する。以上を通して、古来絶えることなく行われてきた人類の移動という世界史においてきわめて重要な事象について新たな地平を築く材料を再考することで提示したい。