研究課題/領域番号 |
23K00905
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
足立 孝 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 准教授 (90377763)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 中世ヨーロッパ / 征服=入植運動 / 封建制 / 商業 / 空間編成 / 公証人登記簿 / 会計記録 / 流通 / 封建的空間編成の展開モデル / 財貨交換ネットワーク / アラゴン / バレンシア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、13世紀前半から14世紀後半までを時間的枠組みとし、イスラームと対峙する典型的な「辺境」とみなされてきたイベリア半島のなかでも、イベリア山地のただなかにあるアラゴン王国南部と、同山地を下って地中海沿岸まで展開するバレンシア王国北部とを対象に、キリスト教徒による征服=入植運動をつうじて生み出された新たな空間編成を、地域内外の財貨交換ネットワークの形成という観点から全面的に捉え直すことによって、王国間の政治的境界を越えて展開するアラゴン=バレンシア経済圏の具体像を空間編成論的な方法をもって描き出そうとするものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、13世紀前半から14世紀後半までを時間的枠組みとし、イスラームと対峙する典型的な「辺境」とみなされてきたイベリア半島のなかでも、イベリア山地のただなかにあるアラゴン王国南部(現テルエル県)と、同山地を下って地中海沿岸まで展開するバレンシア王国北部(現カステリョ県およびバレンシア県北部)とを対象に、キリスト教徒による征服=入植運動をつうじて生み出された新たな定住・空間編成を、地域内外の財貨交換ネットワークの形成という観点から全面的に捉え直すことによって、王国間の政治的境界を超えて展開するアラゴン=バレンシア経済圏の具体像を空間編成論的な方法をもって描き出そうとするものである。本年度は、次のような作業を行なった。 (1) アラゴン王国南端の集落プエルトミンガルボと村域を接するバレンシア王国北端の集落ビリャエルモーサに注目し、14世紀前半の段階できわめて濃密なヒト・モノ・カネの往還をほしいままにした両集落の社会経済的浸透性が同後半にいかに変化したかを、後者を筆頭集落とするアレノスのバロニアの1359、1361、1364年の会計報告書(バレンシア王国文書館所蔵)を綿密に分析することによって実証的に明らかにした。 (2) 上記アレノスのバロニアの会計報告書が、領主であるデニア伯アルフォンソの宮廷所在地ガンディアで、領主収入の管理にいかに利用されたかを明らかにするべく、同時期の会計監査人シモン・シフレの監査所見第二書(バレンシア王国文書館所蔵)を生成論的に分析した。 (3) 13世紀末から14世紀前半までのバレンシア市の公証人登記簿を網羅的に蒐集し、同市住人と、ムレーリャを筆頭とするバレンシア王国北部、さらにはテルエルを筆頭とするアラゴン王国南部の住人との財貨交換の実態を綿密に分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究は作業の円滑化・効率化を図るべく、便宜上、アラゴン南部から地中海沿岸までの空間を北から南に貫通する内陸交通路を軸として、東から順に、①アルカニス=ムレーリャ、②ミリャルス川、③パランシア川、④トゥリア川といった具合に、全体として四つのセクターに分類し、同一の作業を各年度にそれぞれを段階的に遂行するという方針をとっている。本年度は以上のうち、②を中心に検討したが、バレンシア王国文書館における史料蒐集が職員の手厚い協力のもとで比較的順調に進められたため、バレンシア市公証人の膨大な登記簿を網羅的に蒐集し、それらを材料に③を中心とする作業にも着手することができたからである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は便宜上、アラゴン南部から地中海沿岸までの空間を北から南に貫通する内陸交通路を軸として、全体として四つのセクターに分類し、それぞれ、城塞集落=市場開設地の空間的布置、各市場開設地を中心とする域内流通回路、さらには各流通回路を横断する財貨交換ネットワークの全体像を史料にそくして網羅的に復元するという、いずれも同一の作業を各年度に段階的に遂行しようとするものである。今後はまず、すでに着手しつつあるパランシア川流域をめぐって、バレンシア王国文書館文書館所蔵の膨大な公証人登記簿を駆使して実証的に検討したうえで、同じくトゥリア川流域、ついでアルカニス=ムレーリャの順に、カステリョ県立歴史文書館ならびにムレーリャ公証人歴史文書館・同教会歴史文書館に所蔵される史料の網羅的な蒐集・分析をつうじて綿密に検討してゆくこととなる。
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