研究課題/領域番号 |
23K00921
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 札幌学院大学 |
研究代表者 |
大塚 宜明 札幌学院大学, 人文学部, 講師 (60721800)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 北海道 / 千島列島 / 先史時代 / 置戸産黒耀石 / 原産地遺跡 / 消費地遺跡 / 石材流通 / 地域連携 / 黒耀石 / 原産地開発 / 石材流通過程 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、先史時代(文字資料のない時代)を通じた長期間、本州・サハリンに至る広域に利用された北海道東部を産出地とする置戸産黒耀石を対象に、原産地の開発と石材流通過程との関係性を解明する。本研究により、更新世から完新世の移行に伴う自然・資源環境の大規模な変化に応じた資源の開発と運用が具体的に明らかになることで、当時の資源の流通形態や社会のあり方およびそれらが変化する要因について議論可能になる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、置戸産黒耀石を観点に北海道における黒耀石原産地の開発と石材流通過程との関係性を解明することである。上述の課題に対して、同原産地における自然・資源環境と人類活動との関係の追求(調査項目1)と、消費地における黒耀石製石器の製作・運用の復元(調査項目2)といった、2つの調査項目を設定し調査研究に取り組んだ。 調査項目1では、置戸黒耀石原産地における黒耀石の資源や人類活動の情報をマクロな視点から整備するため、当該黒耀石原産地の分布調査および発掘調査を実施した。分布調査では、所山における遺跡分布が既知の範囲より大きく広がることを明らかにした。発掘調査は、引き続き置戸山を対象に実施し、遺跡の広がりを確認するとともに、黒耀石原石の形状および分布状況から黒耀石原石の供給源の位置を絞り込むことに成功した。 調査項目2では、道東の根室(別当賀一番沢遺跡など)・標津(伊茶仁カリカリウス遺跡など)、道北の名寄(智東8遺跡)・美深(楠遺跡)、道央の余市(大川遺跡)・恵庭(ユカンボシE4遺跡など)、道南の木古内(幸連5遺跡)、千島列島の資料を対象に実施した。千島列島の資料は分析途上であるが、その他の地域の資料ではいずれも置戸産黒耀石の利用を確認することができた。 また、上記の研究成果については学会発表や論文として公表するとともに、地元の中学校や教育委員会との連携事業を実践し調査成果の公開や地域社会への還元をはかることができたことも重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
置戸黒耀石原産地における自然・資源環境と人類活動との関係の追求と、消費地における黒耀石製石器の製作・運用の復元を目的に調査を実施した。 特に、置戸山黒耀石原産地の発掘調査において、黒耀石原石の形状および分布状況から黒耀石原石の供給源の位置を絞り込むことに成功したことは、自然・資源環境と人類活動の関係性を追求する上で極めて重要な成果といえる。 消費地の研究では、道南、道東、道央と各方面への置戸産黒耀石の利用が明らかになったことから、原産地から消費地への石材流通の仕組みを議論するための貴重なデータを得ることができた。 以上のように当初計画していたよりも多くの成果を得ることができたことから、次年度も原産地と消費地の研究を継続し、研究の最終目標である置戸産黒耀石を観点に北海道における黒耀石原産地の開発と石材流通過程との関係性の解明を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
置戸黒耀石原産地における自然・資源環境と人類活動との関係の追求と、消費地における黒耀石製石器の製作・運用の復元という2つの研究項目を設定し調査研究を進めていく。 置戸黒耀石原産地における黒耀石の資源情報については、置戸山の黒耀石原石の供給源の確定を目指し検討を進める予定である。加えて、同調査により、人類活動の情報もあわせて取得し、これまでの調査成果と統合することで、自然・資源環境と人類活動との関係の追求を進めていく。 消費地の研究では、道東、道央の資料の蓄積を目指し、北見市および江別市の黒耀石製資料の原産地と製作・運用過程を解明するべく、調査・分析を実施する計画である。 なお、本年度の研究成果に関しても国内外の学会において発表するとともに、地元の中学校との連携事業を実践し調査成果の公開や地域社会への還元についても引き続き積極的に実施していきたい。
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