研究課題
基盤研究(C)
前4千年紀末の南レヴァント諸遺跡から出土するエジプト系物質文化は、エジプト‐南レヴァント間関係を具体的に示す証拠として様々に解釈されてきた。しかし、議論の核となるエジプト系拠点は、層位的出土遺物の悉皆的・定量的分析により検証されてこなかった。そこで本研究は、①層位的出土土器の悉皆的定量分析による時・空間的分布傾向の把握、②技術論的比較を通じたエジプト系・南レヴァント系両文化の交流の度合いを定量的評価、また、③西アジアにおける既調査植民遺跡の外来系土器出土状況の類型化及び①②の分析結果との体系的比較を通じて、テル・エラニ遺跡におけるエジプト系拠点の存在と特徴を考古学的に評価することを試みる。