研究課題
基盤研究(C)
「シルクロード」という呼称は、絹が古代の東西交易において大きな役割を果たしたとして後の時代に名づけられたものである。しかし、数ある交易品の代表であるはずの「シルク」について、我々はその産地や特徴、交易ルートなどを十分に明らかにできていない。そこで本研究では、我が国を含む東アジアに伝わった染織品の製作地を明らかにすることを目的に、「西域」の染織品に着目してその特徴を明らかにする。特に未調査資料の多い中央ユーラシア出土品を対象に、中国出土品および日本に伝世する染織品と比較することで、その特徴を明らかにする。さらには染織品の技術伝播および流通の様相から、古代ユーラシアにおける東西交流の実態に迫る。