研究課題/領域番号 |
23K00932
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
鈴木 舞 山口大学, 人文学部, 講師 (90773226)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 契丹 / 金工技術 / 青銅器 / 金銀器 / 製作技術 / 金属成分 / 遼 / 金属工芸 / 金属成分分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中世のユーラシア草原地帯東部で活動した契丹(遼)の金工技術のあり方を、日本国内所蔵の契丹金工品コレクションの実物観察及び3D計測による製作技法の推定、ポータブル型蛍光X線分析装置を用いた金属成分分析を通じて、明らかにするものである。 また、契丹の金工品・金工技術は、従来唐のそれとの類似性、そして唐からの影響が見られることから、近年注目を集めてきた。これに対して本研究では、当該期の周辺諸国・諸集団(唐・靺鞨・突厥等)の金工技術と比較することで、契丹の金工技術の成立過程についても明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
2023年度は、契丹及び前後する時代と地域の金工品について、日本国内の所蔵資料を対象に、所蔵館ごとに肉眼及び携帯型実体顕微鏡による技術観察、p-XRFによる金属成分分析を実施し、基礎情報を蓄積した。調査対象は、①横浜ユーラシア文化館、②馬の博物館、③和泉市久保惣記念美術館、④東京大学駒場博物館、⑤東京大学文学部、⑥東京大学常呂実習施設、⑦オホーツクミュージアムえさしでの所蔵品である。このうち、①については、論文執筆、⑥⑦については学会発表という形での成果報告を、いずれも研究協力者と共同発表の形で行った。②③④については、2024年度に論文を執筆する予定である。また、これらを取りまとめる形で、時間軸上での技術変遷、地域による差異についても考察を進めている。その成果は、日本中国考古学会、遼金西夏史研究会の年次大会などで報告し、意見交換した。また、研究協力者らとともにワークショップ「ユーラシア草原地帯の金属遺物」(2024年1月19日、於山口大学)を開催した。また、これらの実見調査と並行して、発掘報告書、発掘調査概報の収集を進めるとともに、次年度以降の調査・研究にむけての予備調査や研究打ち合わせを適宜実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
そもそも予定していた以上のスピードで、各館での調査・分析、論文執筆が進んでいる。また、調査研究を進めていく中で、予定していた以上に、新たな資料をご紹介いただけることが多くあり、当初想定していた以上のサンプル数が集まったため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に引き続き、各館での資料調査を継続的に実施する。サンプル数を増やしていくことにより、2023年度の研究で想定された契丹(遼代)における技術変遷や契丹内での技術差について、確からしさを確認していく。併せて、契丹以外の周辺の諸集団のサンプルも増やし、契丹との比較検討をすすめていく。これにより、金工技術を通じて、当該期のユーラシア東部の動向を探っていきたい。
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