研究課題/領域番号 |
23K00941
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
林 正憲 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 室長 (10360851)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 古墳 / 寺院 / 美濃地域 / 社会的背景 |
研究開始時の研究の概要 |
7世紀は古墳時代から律令時代への変遷期であり、政治及び社会構造の激動期といえる。これを象徴するのが古墳の消滅と古代寺院の成立という、考古学的にも重要な人工的モニュメントの交代である。 古墳の消滅と寺院の成立に関して、具体的な連続性と関係性を考古資料から実証的に論じた研究は意外と少なく、発掘調査等で新たな知見が得られるにつれて、再検討すべき余地が生まれつつある。 本研究では、各地域の古墳と寺院の状況を改めて整理し、その連続性を検証すると共に、副葬品等から見た古墳時代における地域社会と造瓦体制等から見た飛鳥・白鳳時代の地域社会の様相を比較検討し、7世紀に生じた政治的・社会的変化を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、各地域の古墳と寺院の状況を改めて整理し、その連続性を検証すると共に、副葬品等から見た古墳時代における地域社会と造瓦体制等から見た飛鳥・白鳳時代の地域社会の様相を深く検討し、7世紀に生じた政治的・社会的変化を明らかにしようとするものである。 2023年度は、研究環境を整えるための機器購入等を実施すると共に、検討すべき地域の選考と、以前に検討を進めた地域における再分析を実施した。 特に、美濃地域については2021年に検討を行い、その成果を論文として発表しているが、その後、2023年3月に発表した讃岐地域の検討において、半径2km圏内という範囲における古墳・寺院・古代官道という3者を比較する分析が有効であることが判明したため、同様の分析を再度、美濃地域において実施した。その結果、前回の分析よりも当時の社会動静をよりダイナミックに復元することが可能となり、その背景には壬申の乱の影響が大きかったことを明らかにすることができた。 今後は、近年古代寺院の研究が飛躍的に進展した常陸地域を中心に分析を行う予定で、本来なら実地調査を実施する予定であったが、諸般の事情により、今年度は実施することができなかったため、2024年度には実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は美濃地域の再分析を実施したが、新たな分析対象として常陸地域を予定している。そのため、実地調査を実施する予定であったが、諸般の事情により、それが叶わなかった。そのため、2024年度こそは調査を実施する予定である。 また、もう一つの分析対象である出雲地域においても、資料等を収集すると共に、実地調査を行いたい。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、常陸地域と出雲地域の実地調査を行うと共に、資料収集と分析を進め、美濃地域や讃岐地域で行った方法論で分析することにより、客観的な比較を可能にして、その背景となる社会背景の復元を行う予定である。
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