7世紀は古墳時代から律令時代への変遷期であり、政治及び社会構造の激動期といえる。これを象徴するのが古墳の消滅と古代寺院の成立という、考古学的にも重要な人工的モニュメントの交代である。 古墳の消滅と寺院の成立に関して、具体的な連続性と関係性を考古資料から実証的に論じた研究は意外と少なく、発掘調査等で新たな知見が得られるにつれて、再検討すべき余地が生まれつつある。 本研究では、各地域の古墳と寺院の状況を改めて整理し、その連続性を検証すると共に、副葬品等から見た古墳時代における地域社会と造瓦体制等から見た飛鳥・白鳳時代の地域社会の様相を比較検討し、7世紀に生じた政治的・社会的変化を明らかにする。
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