研究課題/領域番号 |
23K00956
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
黒島 健介 広島大学, 総合博物館, 学芸職員 (40912605)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 化石標本 / 3Dスキャン / 博物館 / バリアフリー展示 / X線CT / 博物館展示 / 古環境 |
研究開始時の研究の概要 |
広島大学総合博物館に保管されている魚類化石を含んだノジュールに注目し, 3DスキャンとX線CTの技術を用いることで,化石資料の内部構造の視覚化・レプリカ作成を行い,化石資料の全体像を把握する.その上で分類の再検討や内部構造のデータ化を図り,化石種の生体復元を目指す.またノジュール部分の化学分析も並行して行うことで,化石種が生息していた古環境の推定を行う.さらにCTスキャンを活用し,表面だけを見せる従来の化石展示とは異なる斬新な展示手法の検討を行い,様々なサイズや特徴の化石を有する本博物館の資料を用いて,3DスキャンとX線CTを活用した化石展示手法の確立と普及を目指す.
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研究実績の概要 |
広島大学総合博物館に保管されている「日野化石コレクション」を中心として,標本の3Dデータ取得と3Dプリンタによるレプリカの作成を実施した。データ取得に使用した標本は具体的には,展示に活用されている魚化石入りのノジュールや三葉虫化石,アンモナイト化石などである。本年は3Dデータの取得と作成されたレプリカの評価を行うため、当初の予定にはなかった化石資料以外の3Dデータを作成・取得し,模型等の3Dモデルの作成(地形図模型や剥製用内部充填物等)も並行して実施した。3Dデータは,ただ鑑賞する標本をレプリカとして作成するだけではなく,剥製の中身や骨格の土台を作成する際にも応用可能である。得られた成果物である地形模型は、現在当館に置いて開催中の学生企画展示で活用中である。 3Dプリンタで制作した化石レプリカは,一般の来館者の理解を深めるだけでなく,視覚に障害を持った来館者の学びに有効なツールとなる。そこで2023年度は分析よりも展示手法開発部分に重点を置き,実際に視覚障害を持つ方やその周囲の方にレプリカに触れてもらい,意見をいただいた。その結果,ただ「壊れやすい貴重なものに触れられる」だけでなく,形の大小の違いや,似通った動物骨格であれば複数種間での比較に重点をおくことが重要であると考えられた。そこで2024年度以降は,当初の研究目的に加えて障害者向け展示手法の開発にも重点を置き,当事者からの意見を反映した展示に活かしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は3Dスキャンと実際の観察・分析用機器類の準備・設置に重きを置いたため,当初予定していた化学分析やX線CT実施の準備に遅れが出ている。しかしながら,観察用機器類の準備はほぼ完了し,2024年度初頭には化石資料の詳細な記載と分析を進めていく。スキャンデータを活用した展示手法の開発に関しては,レプリカを多く作成してきたことから視覚障害者教育との連携が進んできている。実際に視覚に障害を持たれている方々にも意見をいただくことができており,当初想定していた3DスキャンとX線CTを活用した化石展示手法の開発については,特にバリアフリーの観点から順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,さらなる3Dテータの取得・レプリカの作成に加えて,当初予定していたX線CTによる撮像やノジュール資料の詳細な記載と化学分析を進めていく。さらに展示手法の開発としては視覚障害者教育との連携を進めていき,これまでの計画に加える形で,特に視覚障害者向けの展示プラン開発と,本博物館を活用した博物館見学コースの創出・提案を行う。そのために視覚障害者教育に関わる学会やイベント(2024年9月に高松市で開催予定)等に積極的に参加し,交流と議論を深めていく予定である。
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