研究課題/領域番号 |
23K00958
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
牧野 真理子 帝京大学, 付置研究所, 助教 (60838986)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 文化遺産 / ポスト・コンフリクト / 博物館 / 復興 / 西アジア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ポスト・コンフリクト地域の復興過程において、文化遺産や博物館が果たす役割と可能性を明らかにすることを目的とする。西アジアのイラクやイラク・クルディスタン自治区等を主な対象地として、ポスト・コンフリクトの復興過程における、文化遺産や博物館の再生・再建の実状とそれを巡る課題を調査するとともに、地域社会と文化遺産の関係性を探る。
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研究実績の概要 |
1年目にあたる本年は、紛争と復興、文化遺産の関係をよりよく理解するために、国内においては、紛争下における文化遺産の破壊のパターンや原因、その後の復興過程における課題を理解するために文献や報道をもとにした様々な地域の事例研究を行なった。さらに類似研究の動向を把握するために、ジョージアで開催された国際会議「Collaboration in times of Crisis:Preserving Natural and Caltural Heritage」や、ASOR総会のワークショップ「Cultural Heritage in Crisis」に参加・発表し、海外の研究者と積極的に意見交換を行なった。 現地における活動としては、イラク・クルディスタン自治区スレイマニヤ県を主な対象とし、紛争後の社会において、地域のシンボルとして認識されている文化遺産や考古遺跡、歴史的建造物がどのように認識され、保護されているのかについて現地調査を実施した。 また、イラク・クルディスタン自治区における文化遺産保護制度の枠組みを理解すべく、法制度や文化遺産保護に関する行政機関や民間団体の役割を整理した。具体的には、オスマン帝国期以降、イラン建国そしてクルディスタン自治区の成立に至るまでの同地域の文化遺産保護制度の変遷を先行研究から整理するとともに、現在の自治区の法令を収集、翻訳するとともに、実際の運用状況について文化財行政関係者へのインタビューを行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目となる今年度は、今後の研究活動遂行のための研究体制を構築するために基礎的な情報の整理・収集を行なった。 類似研究の動向の把握、さらにポスト・コンフリクト地域での他事例、共通の課題を明らかにするために、国内外の会議に参加・発表し、同分野の研究者と意見交換を行なった。 さらに6月~7月にかけてイラク・クルディスタン自治区において現地調査を実施し、関係する機関(文化財局や博物館)とも協力関係を構築することができたため、今後の研究を遂行しやすくなった。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目は、引き続きイラク・クルディスタ自治区の文化遺産が紛争後の復興の過程でどのように保護・活用されているかを把握することを目的とする。また、イラク・クルディスタン自治区の博物館や教育関連施設における文化遺産に関係する教育プログラムの内容についても調査を行う予定である。
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