研究課題/領域番号 |
23K00965
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
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研究機関 | 神奈川県立生命の星・地球博物館 |
研究代表者 |
新井田 秀一 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (20228125)
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研究分担者 |
武田 周一郎 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 学芸員 (10803273)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | CG鳥瞰図 / 吉田初三郎 / 画像解析 / 文理融合 / 景観 |
研究開始時の研究の概要 |
吉田初三郎などが描いた「歴史的鳥瞰図」は写実的で当時の社会様相を理解できるが、地形図とは異なり、一般的な地図としての正確さを欠くが、文字による地名などの補足情報がある。また、印刷図裏面の説明文にも有用な情報がある。ここでは、歴史的な鳥瞰図(肉筆画・印刷図)をデジタル標高モデルによるCG鳥瞰図と比較によって、両者の相違点や類似性を照査・相補し、歴史的な鳥瞰図の正確さを検討しながら、その博物館的意義について考察する。鳥瞰図に封じ込められている時代的背景や名所旧跡などを網羅的に把握し、博物館活動において現代での見識を広げることのできる正確な学習ツールとなる博物館アーカイブスとして整理・構築する。
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研究実績の概要 |
神奈川県周辺を対象としている歴史的鳥瞰図について、個々の鳥瞰図に封じ込められている時代的背景や名所旧跡などを網羅的に把握し、博物館活動での学習ツールとして広く活用できるように、博物館アーカイブスとして整理・構築することを目標としている。 令和5年度は「神奈川県鳥瞰図」に描かれている名所旧跡や交通網といった地物の時空間情報の抽出を始めた。名称が付与されている地物(387件)についての座標はすでに把握している。そこで、特徴的な外観をイラストで示しているのみの地物について、昭和初期の観光ガイドブックといった歴史資料などを参考に名称を特定し、座標を調べ、現存するかどうかの確認作業を進めている。多くの名所旧跡は現存していることがわかったが、ダム建設により失われた「相模川での舟遊び」のようなものがいくつか確認できている。 交通網については、鉄道については名称が付与されているため特定は容易であり、通過ルートの座標特定を進めた。しかし、路線によっては、廃線になっていたり、現在とは別企業の路線となっていたり、線形改良などにより現在とルートが異なるケースがあることがわかった。 道路網については「湘南パークウエイ」を除き路線名が示されていないため、名所旧跡や鉄道網などにより通過都市を推定し、昭和初期の地形図により路線座標の特定を進めた。この結果、県道などの路線指定がされていても現在でも未開通であるものが描かれていることがわかってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
同時に検討する予定であった「箱根名所図絵」についての検討が遅れているが、描画領域としては、「神奈川県鳥瞰図」の中に含まれるものなので、大きな問題ではないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
「神奈川県鳥瞰図」や「箱根名所図絵」だけでなく、他の鳥瞰図についても描画領域が重複しているところが多いので、比較検討を併せて進めていく。
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