研究課題/領域番号 |
23K00990
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
山崎 孝史 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (10230400)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 暴力 / 民衆 / 米軍基地 / 琉球 / 政治地理学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は米軍統治下の琉球列島における,統治者(米軍・米兵)と被統治者(琉球住民)との間で行使された「暴力」に着目する.「暴力」は構造的な性質を含むが,1945年から72年までの米軍統治のもとで,多様な主体が行使する直接的「暴力」の事例は数多ある.本研究の対象は,米軍による女性の身体管理と性暴力,琉球警察によるデモ隊阻止,タクシー運転手による対米兵傷害事件,そして米兵間・琉米間の人種対立である.本研究はこれらの具体的「暴力」をその性質と発生場所から分類し,その時空間構造,発生のメカニズム,そして政治社会的意味を把握した上で,独自の地理学的視角から構造的「暴力」を照らし返す.
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研究実績の概要 |
本年度は、当初計画通り、米軍による女性の身体管理と性暴力に関連する、沖縄県公文書館が保有するUSCAR文書(原文書は米国国立公文書館保管),琉球政府文書,そして県紙(沖縄タイムス,琉球新報など)から,基地周辺での歓楽街の形成と性病管理の実態,そして性暴力報道を照らし合わせ,性暴力発生の時空間構造とともに,女性性労働者が日常的にいかなる「暴力」にさらされていたかを明らかにするための、資料収集を行った。 年度当初はこれまで米国国立公文書館や沖縄県公文書館で収集済みであった資料の検討を中心に進めたが、沖縄県への渡航を23年11月と24年2月の2回実施し、今年度の研究計画に関する資料収集(沖縄市総務部企画課市史編集担当)と聞き取り調査(沖縄島内)を実施てきた。さらに23年12月にオルタナティブ地理学東アジア地域会議(香港中文大学、香港)において研究成果の発表、24年3月に日本地理学会春季大会(青山学院大学、東京)において関連研究発表(中島弘二発表)の座長を担い、24年4月の全米地理学者協会年次大会(ハワイ・コンベンション・センター、ホノルル)での研究発表に向けて準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度当初は手元に収集済みの資料の検討を中心に進め、科研費の執行が若干遅れたが、23年11月と24年2月に沖縄県内での資料収集と聞き取り、23年12月に国際会議での研究発表、24年3月に国内学会での座長担当、24年4月の国際会議発表準備などを行い、ほぼ順調に研究を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
24年4月後半で全米地理学者協会年次大会(ハワイ・コンベンション・センター、ホノルル)での研究発表を済ませたあと、今年度(研究期間:2024年2月~11月)は琉球警察によるデモ隊阻止をテーマに、沖縄県公文書館におけるUSCAR文書や県紙報道,さらに沖縄県立図書館が所蔵する教職員会や沖縄県警の文献をもとに,教公二法に反対するデモ隊が流入する議事堂前にどのように機動隊が配備され,デモ隊とどう衝突し,警備の失敗はその後の機動隊編成にどう影響したかを明らかにする。本科研の中心的テーマと、昨年度の研究成果を公表するために24年8月に国際地理学連合政治地理委員会プレ会議(ベルファスト)および国際地理学会議(ダブリン)に参加するほか、関連国内学会でも研究発表を行う。
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