研究課題/領域番号 |
23K01022
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
内藤 順子 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50567295)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | チリ / 痛みと記憶 / 軍政 / 戦時性暴力 / 拷問 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、拷問から生き延びた女性たちを被害者や犠牲者として一括りにせずに「物語的真実」を聞き取ることにある。物語的真実とは、必ずしも歴史的事実と一致するとは限らない、当事者の記憶あるいは解釈にもとづいた経験・感覚的な真実のことである。被害者や犠牲者という枠組みで見られてきた、あるいは当事者もそれ以外の言葉を持たなかった女性たちが、傍らから見れば壮絶であろう終わりようのない痛みを抱えながら、どのように現在まで生き抜いてきたのか。移行期正義の一環として遺された証言とは異なる語りを収集し、軍政そのものを「政治・社会的真実」からだけでなく、権力の中心ではないところから立体的に記述しとらえなおす。
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研究実績の概要 |
本研究は、チリ軍政下で拷問に遭いながら生き延びた女性たちについて、被害者や犠牲者として一括りにせずに「物語的真実」を聞き取ることを大きな目的としている。物語的真実とは、必ずしも歴史的事実と一致するとは限らない、当事者の記憶あるいは解釈にもとづいた経験・感覚的な真実のことである。被害者や犠牲者という枠組みで見られてきた、当事者でさえもそれ以外の言葉を持たなかった女性たちが、傍らから見れば壮絶であろう終わりようのない痛みを抱えながら、どのように現在まで生き抜いてきたのか。移行期正義の一環として遺された証言とは異なる語りを収集し、軍政そのものを「政治・社会的真実」からだけでなく、権力の中心ではないところから立体的に記述しとらえなおすことを目指している。 物語的真実の収集にあたっては、話者も聞き手も感情を揺さぶられる経験ともなるためその場の状況によって短くも長くもなり、やめることもあれば複数回にわたって実施することも出てくる。機微の読み取りが欠かせないため対面での聞き取りを必須とするが、諸経費の高騰の影響により今年度は渡航調査を実施できなかった。だが、実際の聞き取りが主要な仕事であるいっぽうで、本課題ではその方法論についての検討も同時に必要だと考えている。よって、フィールドへの渡航が困難な状況において今年度は方法論についての試行錯誤に専念することとし、「痛みと記憶」にかかわる国内外の研究蓄積と展開に注視して、その追究に努めた。“「感情の歴史」を描くこと”あるいは権力の中心ではない「小さき人びと」の声を集めることをとおして拷問から生還した経験、軍政と痛みの輪郭を描く試みをいかになし得るのか。「小さき人びと」については2023年3月に上梓した拙著のキーワードでもあり、その延長上として、「小さき人びと」の解題に取り組みつつ、次年度以降の渡航調査に際しての備えとなる考察を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
チリでの渡航調査を予定していたが、航空運賃が依然として高く、また円安の影響により現地滞在費が想定を上回って高騰しており、配分額で調査を行えないことが予想されたため翌年度に予算を繰り越して実施することとした。
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今後の研究の推進方策 |
予算を繰り越してフィールドへ赴き、今年度の理論的考察や方法論の検討を活かして有意義な調査を実施したいと考えている。
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