研究課題/領域番号 |
23K01029
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
宮本 律子 秋田大学, 国際資源学研究科, 教授 (30200215)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 手話 sign language / タンザニア Tanzania / ケニア Kenya / ろう者のアイデンティティ / 島嶼部 islands |
研究開始時の研究の概要 |
筆者は手話言語同士の接触で生じる言語変容と,ろう者のモビリティのあり方をおもに東アフリカ各国の主要な都市部で調べてきた。この研究ではろう者の集まりやすい都市部にあるろう学校の在学生や卒業者が対象とされ,地理的に隔絶された諸島部のろうコミュニティまで調べてこなかった。大陸部に比べろう学校の数が限られている諸島部では音声言語スワヒリ語の影響が顕著にあるのか。大陸部の手話は諸島部の手話と異なっているのか。彼らのろう者としてのアイデンティティに「大陸部の手話がどのくらいできるのか」が大きく作用するのか。本研究は,諸島部における手話の使用実態実態とろう者のアイデンティティと手話との関係を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は,東アフリカの沿岸部,ケニアのラム諸島および,タンザニアの島嶼部のろう者コミュニティにおける手話言語の接触現象を詳しく調べることを目的としている。これまでの研究では主としてろう者の集まりやすい都市部にあるろう学校の在学生や卒業者が対象とされ,地理的に隔絶された諸島部のろうコミュニティには焦点が当てられてこなかった。当該地域のろう学校および宗教的な集会の実態調査によりろうコミュニティの動態を明らかにする。 ケニア手話(KSL)やタンザニア手話(TSL)について記述が進みつつあるが,両手話の異同に注目すると東アフリカ手話の基層部分と接触による異相が見えてくる。数詞などでは大きな違いがあるが,基礎語彙の一部では類似した表現があり,それはアメリカ手話(ASL)とも異なっていることがわかっている。ろう児童のための中等教育がタンザニアやウガンダで整備されていなかった1980年代まで,一部のろう者がケニアで中等教育を受け帰国後,故国の手話にケニア手話の要素をもたらした可能性が高い。ニカラグアの新しい手話の誕生を引き合いに出すまでもなく,ろう学校は手話にとって最も重要な「ゆりかご」である。一方,Rothe (2022)によるとタンザニ北部のアリューシャ地域のろう者コミュニティにおいては,学校教育より,当事者が手話を用いて説教を行う宗教的な集会の方が彼らのアイデンティティ形成に影響が強いという。今回の筆者の調査で分かったのはキリスト教布教のための研修をケニアで受けKSLを習得したろう者が帰国後教会の説教においてKSLの単語を多数交えて説教をしていることである。 研究初年度の令和5年度は、まずタンザニアの島嶼部のろうコミュニティの情報収集を行った。ザンジバルには独自のろう者協会があり、ろう学校もあるが、ヨーロッパの非営利団体による教育が盛んなことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度の令和5年度は,まずタンザニアの島嶼部のろうコミュニティの情報収集を行った。ザンジバルには独自のろう者協会があり,ろう学校もあるが,ヨーロッパの非営利団体による教育が盛んなことがわかった。今のところ,タンザニアろう協会(CHAVITA)の紹介によりザンジバルのろう者団体との連絡を取ることができている。また,ろう教育施設を運営するヨーロッパの団体にも連絡をとり,訪問の準備を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
2年目の令和6年度には実際にザンジバル島を訪れ,ろう者団体を訪問,ろう者にインタビューを実施するとともにケニアのラム島の情報収集もおこなう予定である。
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