研究課題/領域番号 |
23K01045
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
|
研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
金子 正徳 摂南大学, 国際学部, 准教授 (50435541)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 博物館展示 / 歴史表象の変化 / 社会文化的創造性 / インドネシア / 文化人類学 / 地域研究 / 表象 / 国民文化 / 国民国家 / 創造性 / 展示 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、インドネシアにおいて、開発独裁体制(1967年-1998年)のもとで作られた多くの博物館と近年新設された博物館、そして立案段階である将来の博物館を分析することで、インドネシア人がこれからどのような社会的・文化的価値を創造していこうとしているのかを文化人類学的な観点から示したい。(1)民主化以前の特徴を国家政策との関係から明らかにすること、(2)現在増加している新設の博物館について分析すること、(3)民主化以降のインドネシアにおける文化的・社会的な創造性の特徴を俯瞰的かつ実証的に示すことを目的とする。
|
研究実績の概要 |
2023年8月に展示に関する現地調査を行い、次の博物館・美術館等を訪問した。インドネシア銀行博物館(Museum Bank Indonesia)、ワヤン博物館(Museum Wayang)、海事博物館(Museum Kebaharian)、マンディリ銀行博物館(Museum Bank Mandiri)、ジャカルタ歴史博物館(Museum Fatahillah(Museum Sejarah Jakarta))、美術陶器博物館(Museum Seni Rupa Dan Keramik)、モダン&コンテンポラリーアート美術館(Museum MACAN)、国立歴史博物館(Museum Sejarah Nasional)、1945年闘争博物館(Museum Joeang '45)、青年の誓い博物館(Museum Sumpah Pemuda)民族覚醒博物館(Museum Kebangkitan Nasional)、チャンドラナヤ保存建築物(Gedung Candra Naya)、独立宣言起草博物館(Museum Perumusan Naskah Proklamasi)、インドネシア共産党クーデター博物館(Museum Pengkhianatan PKI)、国立博物館(Museum Nasional)。同時期に、カウンターパートであるランプン大学教員とジャカルタにおいて対面での意見交換をした。結果、新秩序体制期から民主主義体制期への、「歴史」とくに現代史をめぐる意識の変化が顕著であった。 2023年12月に、インドネシア研究懇話会第5回研究大会において研究発表「ジャカルタの歴史系博物館における展示の変化に関する一考察」を行なった。 2024年3月には本研究課題に関する担当章を含む共著『記憶と歴史の人類学:東南アジア・オセアニア島嶼部における戦争・移住・他者接触の経験』が刊行された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は計画に記していたジャカルタでの現地調査を実施し、特に歴史系博物館3館の展示について、過去に収集していたデータとの比較をすることができた。これらの成果をもとに研究発表を1回行うことができた。 また、2024年3月に刊行された上述の共著担当章において、歴史系博物館3館の展示について、この10年ほどの間で進行した展示手法や展示内容の変化を明らかにすることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は、夏季に現地調査を行い、近年、展示内容を大幅刷新した地方の博物館としてランプン州立博物館を取り上げて展示の傾向と変化について参与観察及びインタビューを行う予定であるほか、ジャワ島他地域の主要都市(東ジャワ州スラバヤ市や西ジャワ州バンドゥン市を想定)において新設博物館および美術館の参与観察及びインタビューを行う予定である。合わせて、インドネシア研究懇話会第6回研究大会等で経過的な成果発表をする予定である。
|