研究課題/領域番号 |
23K01052
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐野 智也 名古屋大学, 法学研究科, 講師 (30419428)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 法令データベース / 法令XML / 立法沿革 / 法情報 / データベース / 法制史 / 戦時統制 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、法令のテキストデータを用いその内容をコンピュータ処理することで、戦時期における経済法令の実態を明らかにすることを目的とする。 OCRの性能改善により、昭和前期以前の資料を高い品質でテキスト化できるようになった。本研究では、この成果を利用し、法令のテキストデータを収集・整備した上で、法令中の文言等から法令相互の関係を抽出しデータ化する。これにより、法令群の時系列変化や、法令群の中核となる影響力の強い法令を定量的に分析する。
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研究実績の概要 |
本研究は、法令のテキストデータを用いその内容をコンピュータ処理することで、戦時期における経済法令の実態を明らかにすることを目的とするが、戦前の法令はデジタルデータとしてほとんど整備されていない。そこで最初に、研究の基礎として法令のデジタルデータ化が必要であり、初年度は、データの収集と、データをコンピュータ処理するためのXML文書化に取り組んだ。この成果の一部は、2023年11月2日に「法令データベース」として公開した。このデータベースに収録した法令データは、近代法体系が定められた明治 19(1886)年から、「e-Gov法令検索」の運用が開始された平成 29(2017)年までに公布された法律と勅令である。「法令データベース」は、これまでできなかった戦前の法令本文を全文検索できる点で画期的である。この研究成果は、法学・政治学・歴史学における研究の出発点として提供される基礎データの範囲を大きく拡大させ、新しい方法論の確立にも貢献すると予想される。また、国民や非専門家による法情報へのアクセスを容易にする具体的な試みであり、法を調査、理解、活用する出発点になることが期待される。 本研究は、法律と勅令だけではなく、省令を中心とする下位法令の分析を主眼としている。そこで、省令について、法律と勅令のデジタルデータ化の知見を利用してデジタルデータ化を進めた。省令は、文書形式が法律や勅令と大きく異なり、署名の前に来る法令文の性質が一義的ではないことがわかった。そのため、法令をXML文書化するための構造定義をさらに追加して対応する必要があると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、研究の基礎として法令のデジタルデータ化が必要不可欠であり、最初に、データの収集と、データをコンピュータ処理するためのXML文書化を行うことが必要である。戦時期の法律と勅令については、すべてテキストデータを作成し、戦時期の法令に対応できるように拡張したXML文書ルールに従って、XML文書化を完了した。また、作成したXML文書は、「法令データベース」を通じて公開した。省令などの下位法令についても、明治45年まではデータ化が進んでいる。以上の点から、おおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、法令のテキストデータの収集と、コンピュータ処理するためのXMLデータ化を進める。大正以降の下位法令のデータについては、国立国会図書館の官報のOCRデータを利用することを第一候補の計画としていた。しかし、2024年4月時点で、官報のOCRデータの利用許可を得られていない。そこで、第二候補としていた、独自にOCRプログラムを実行してテキストデータを抽出する方向で、作業を進めることを検討する。 また、法令内の文書に基づいて、法令間の関係をデータ化するための検討を始める。
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