研究課題/領域番号 |
23K01062
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
渋谷 謙次郎 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (50346277)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | ロシア法 / 比較憲法 / 憲法変動 / 外見的立憲主義 / 権威主義 / ロシア / ロシア憲法 |
研究開始時の研究の概要 |
ソ連解体後の現代ロシアの権威主義体制化を、憲法変動論の視点から時系列的に明らかにする。すなわちロシアが、ソ連解体後の議会と大統領との二重権力化にみられる憲法危機、古い憲法の除去と新憲法の制定、新憲法体制下での連邦議会下院と大統領との間の新たな攻防、2000年代のプーチン体制下における国家集権化と市民社会統制の強化、議会の協賛による度重なる憲法改正(とりわけ2020年のコロナ禍の下での改憲)を経てきたことから。現代ロシアの権威主義体制化が、単に大統領個人の独裁化というよりも、1990年代からの憲法変動によって重層的に形成されてきたことを解明する。
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研究実績の概要 |
研究計画のうち、第1期にあたる、晩期ソ連体制の中でロシアが国家主権宣言(1990年6月)を採択し、国家としてのロシアがソ連をしのいでいく時期から、ソ連解体後の議会・大統領との憲法危機と十月政変を経て新憲法が国民投票で採択される(1993年12月)までの時期に関連する議事録等の資料収集を主に行った。 また、本研究課題の素描といえる「現代ロシアにおける外見的立憲主義への移行:ソ連解体からウクライナ戦争まで」を『憲法研究』12号(2023年5月)に早速公表し、ソ連解体時からウクライナ軍事侵攻にいたるまでの、ロシアの憲法体制の変動とそこでの三権(大統領、議会、憲法裁判所)の問題点について、素描した。 さらには、2023年が十月政変の三十周年にあたることから、当時のロシア憲法裁判所と現在のロシア憲法裁判所の大統領権力に対するスタンスの違いにスポットを当てた「ロシア憲法裁判所と国体護持:93年十月政変30周年に際して」を『ユーラシア研究』68号(2024年2月)に寄稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績」のとことで表示したように、2023年度において本研究課題に関連する総論的な論考と、ロシア憲法裁判所に関する各論的な論考をそれぞれ憲法学研究誌および地域研究誌に寄稿し、本研究の一定の見取り図を示すことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本基盤研究の申請時に示した研究対象の時系列でいう第二期(1993年憲法制定後の90年代の憲法実践、とりわけ憲法裁判所の憲法コントロール)および第三期(2000年ー2012年頃)における国家集権化と憲法現実の変化について、憲法裁判所を含む三権の動向を柱に実証的に分析し、続いてプーチンが大統領に復帰した第4期(2012-2019年頃)、第5期(2020年以降)における度重なる改憲と議会、憲法裁判所の協調体制と、市民社会統制の強化による権威主義体制への傾斜を、外見的立憲主義の観点から分析する。なおSpringer社とConstitutional Change and Formation of Russian Nationというタイトルの英文著書(共著)の出版契約を締結したため(2024年4月)、昨年度を含めた以上の研究成果を同書原稿の起案に反映させていく予定である。
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