研究課題/領域番号 |
23K01082
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
山羽 祥貴 東京都立大学, 法学政治学研究科, 准教授 (80844787)
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研究分担者 |
岡田 順太 獨協大学, 法学部, 教授 (20382690)
山本 健人 北九州市立大学, 法学部, 准教授 (60828937)
森口 千弘 熊本学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (70808534)
栗島 智明 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (90846453)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 立憲主義 / リスク / コロナ禍 / 法治主義 / 専門知 / 共同体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、2020年1月に始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴って生じる公法学上の諸問題について、①法治主義の変容、②憲法秩序における専門知、③「共」の領域の顕在化の各問題群について理論研究・比較研究の双方からの探究を行ない、常態化した不透明なリスクによって人々の安全と自由が脅かされる現代的条件に即した憲法論を再構築すること目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、COVID-19の流行に伴って流動化する立憲主義のありようについて、①法治主義の変容、②憲法秩序における専門知、③「共」の領域の再構築の各問題群を理論研究および比較研究の両面から検討することを通じて明らかにし、憲法論の再構築を目指すものである。 2023年度は、COVID-19において生じた具体的問題に関わる研究として、(1)集会規制による信教の自由の制約、(2)接触確認アプリの運用におけるプライバシー保護、(3)専門家会議の組織法的位置づけと法治主義の関係についての検討を行った。(1)および(2)は、複数の外国における裁判例や実践を横断的に検討するものであり、主として比較研究の観点から、①および③の問題群にアプローチするものであった。(3)は日本のコロナ対応における専門家組織のあり方について(東日本大震災との対比を行いつつ)行政官庁理論の再考を睨んだ検討を行うものであり、理論研究の観点から、②の主題にアプローチするものである。 さらに、従来の憲法学が特に見落としてきた分野である③について論じるための諸前提を明らかにする理論研究として、(4)「地域コミュニティ」や「教育」のような様々な局面における人的交流のありようが社会的条件の変化や政策的介入によって被る変容とその人権論上の含意を検討した。 以上の研究の結果として、不透明なリスクが遍在する状況下においては各活動・集団の間の「平等」が格別の重要性を帯びた主題として浮上すること、日本のみならず諸外国においても市民社会の協働におけるリスク対応が重大な課題となってきたこと、意思決定の各段階における柔軟なリスク対応と中央政府の方針策定の調整を法的に整序する枠組みの必要性を浮き彫りにすることができた。また、人権論にとって共同性ないし関係性がもつ体系上の意義を整理するための前提的視座も得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者および研究分担者による継続的な研究会の開催、および、訪日した外国の研究者との交流を通じて、学術的知見を広めることができた。論文や研究報告を通じた研究成果の公表も順次行うことができている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の研究によって得られた知見を踏まえながら、本研究が対象とする各問題群について、引き続き多角的に研究を行い、知見を深めることを目指す。とりわけ重要なものとして、諸外国における感染症流行下の自由制約に関するより視野の広い調査、専門知の利用・流通を扱うための憲法理論上の視点の探究、共同体や人的交流がリスク対応においてもちうる積極面・消極面についての検討を挙げることができる。
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