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憲法適合的な公衆衛生法制の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K01102
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分05020:公法学関連
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

大林 啓吾  慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (70453694)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード公衆衛生 / 司法審査 / 感染症 / 中絶 / 優生 / パンデミック / 憲法適合的 / ロックダウン / 公衆衛生法 / ポリスパワー
研究開始時の研究の概要

本研究は憲法の観点から公衆衛生法制を考察するものである。具体的には、なぜ国家は公衆衛生維持の責務を担うのか、公衆衛生維持の責務を担うとしてもどのような方法があるのか、どの程度自由を制限していいのか、権利侵害に対して司法はどのように救済の任務を果たすことができるかなどについて、感染症の問題を中心に、憲法の観点から公衆衛生法制を考察し、具体的な法制度のあり方や権利救済方法のあり方を提示する。

研究実績の概要

本研究は、公衆衛生に関する法制度や司法審査のあり方について憲法の観点から考察するものである。公衆衛生は広い概念であり、感染症問題に限らず、中絶問題、優生問題、さらには福祉問題など多くの問題をはらむ。そのため、本研究では感染症、中絶、優生の3つの分野の問題を取り上げて考察を行っている。
2023年度は、コロナを素材に感染症まん延防止と自由の確保のバランスをどのようにとるべきかについて法制度および司法審査のあり方を検討するとともに、公衆衛生に関する憲法的考察という観点から、中絶問題や優生問題を取り上げ、憲法の観点からするとそれがいかなる意味で公衆衛生上の問題となるかや法制度および司法審査について考察を加えた。
まず、感染症の問題については、新型コロナを素材に、日本流のコロナ対策やコロナ対策をめぐる裁判例を取り上げて国際学会で報告し、質疑やディスカッションを通して、日本流のアプローチの汎用性を検討する必要があることや他の国の事例を紹介してもらうなど、今後の課題を明らかにすることができた。また、国内の学会等で報告した内容につき、それを学会誌に掲載するための論文執筆を進めた。
感染症以外の公衆衛生分野の問題として、中絶や優生の問題について憲法の観点から考察を行い、それがどのような憲法問題を惹起するのかを明らかにした。中絶については国際学会で報告を行い、優生については論文を執筆した。国際学会での報告ではアメリカ、ニュージーランド、台湾の研究者とともにパネルを作成し、比較検討を行った。優生に関する論文では、特にアメリカの法制度、判例や裁判例を考察し、過去には重大な人権制約があり、それが容易に正当化されていたことを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は、感染症の問題について、まん延防止と自由の確保のバランスの観点から法制度や司法審査を考察し、また公衆衛生分野の1つである中絶や優生について、憲法の観点から考察を加えた。したがって、感染症、中絶、優生という3つの分野について、同時並行的に研究を進めている。
このうち、感染症分野の研究が最も進んでいる。日本の法制度や司法審査については考察が進んでいるので、引き続き検討を進めるとともに、諸外国の状況や事例についても比較検討する予定である。
中絶や優生の問題については、これらの問題に関する法制度や判例の研究が進んでいるアメリカを素材にしながら考察を行った。公衆衛生のあり方という観点から、これらの問題について考察を加えた研究は必ずしも多くないので、まずはアメリカの事例を基に論点整理を行った。概要を把握することができたので、引き続き、アメリカの考察を深めるとともに、他の国との比較検討も進めつつ、日本における法制度や判例の展開の考察を進める予定である。

今後の研究の推進方策

今後も、引き続き、感染症、中絶、優生という3つの分野を軸にして研究を進める予定である。感染症については、コロナの際に強めの対策を行った国との比較を進めるために、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドとの比較検討を進める。中絶についてはアメリカのドブス判決の考察を続けるとともに、その後問題となっている経口避妊薬を素材に、法規制のあり方や行政機関の裁量、それに対する判例の展開を追い、日本でも同様の問題があるので、その考察を進める。また、国際学会において日本の中絶問題の状況について報告を行う予定である。優生については、アメリカの法制度や判例を概観する論文を書き、それが身体の自由の問題に関連することを明らかにしたので、身体の自由の観点から考察を深める予定である。また、この問題についても他の国との比較検討が必要であると考えられるので、アメリカ以外の国についても検討を進めるために、資料収集を行う予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] 優生と憲法2024

    • 著者名/発表者名
      大林啓吾
    • 雑誌名

      法学研究

      巻: 97-2 ページ: 31-57

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] A Practical Model for Abortion with Less Legal Controversy: Abortion History and Development in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Keigo Obayashi
    • 学会等名
      2023 ICON Annual Conference on “Islands and Oceans: Public Law in a Plural World” at Victoria University of Wellington, Wellington, New Zealand
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] The Balance Between Freedom and Public Health: Examining the Method of Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Keigo Obayashi
    • 学会等名
      The Annual Meeting on Law and Society: Separate and Unequal, at the Caribe Hilton, in San Juan, Puerto Rico
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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