研究課題/領域番号 |
23K01106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
蔡 秀卿 立命館大学, 政策科学部, 教授 (00262832)
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研究分担者 |
張 栄紅 中京大学, 法学部, 准教授 (20737564)
趙 元済 駒澤大学, 法曹養成研究科, 教授 (60242799)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | COVID-19 / 公衆衛生パンデミック / 隔離 / 実効性担保 / デジタル活用 / 損失補償 / 予防接種 / 行政法の基本原則 / 公衆衛生危機 / 行政活動の法的統制 / 行政活動の民主的統制 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、以下の4点を追究する。①東アジアにおける公衆衛生危機と立法:各国の公衆衛生危機に対応するための法制を整理する。②東アジアにおける公衆衛生危機と行政:2020年1月以降各国が具体的にどのような要素を考慮していかなる感染症対策を採ってきたのかを整理する。各国の感染症対策の特徴を整序する。③東アジアにおける公衆衛生危機と司法:各国の公衆衛生危機関連の裁判実務事例を取り上げ行政法の基本原則のパンデミック下の適用状況を分析する。④公衆衛生危機下の行政法の基本原則のあり方に係る理論を構築する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、日台韓中におけるCOVID-19感染症対策法制、具体的な感染症対策に関する比較研究を行うための基盤作業である各国の状況を整理した。台湾について、代表者拙稿「台湾におけるCOVID-19感染症対策法制とその実態」『世界と日本のCOVID-19対応ー立憲主義の視点から考えるー』(敬文堂、2023年)が公刊され、同「台湾におけるCOVID-19感染症対策とその法的課題」アジア法研究2024(2024年予定)が公刊予定されている。そこで今年度は、先行研究の乏しい中国及び韓国部分に絞り2024年3月に両国に関するものの研究会を開催した。中国について、特別法を制定することなく既存の複数の法令、地方法規、特に地方政府に広範な権限が委ねられる地方規章で対応してきたこと、対応組織に関して共産党中央政治局常務委員会の指揮監督の下で置かれる共産党中央リーダーチーム(国務院、外務省、北京市共産党委員会等の幹部から構成)が司令塔されつつ、リスクレベル毎に地方政府(県)との役割分担もなされ、村民・居民委員会が対策の実施において果たす役割も大きいこと、具体的な感染症対策に関して県単位の都市封鎖が多く実施され、健康コードや公共信用情報システム等デジタルの活用、対策の実効性担保としての刑罰の活用等が特徴として明らかになった。韓国について、特別法を制定することなく既存の感染予防法で対応してきたこと、同法において自宅・施設等での入院治療、検査、隔離措置等、感染病管理統合情報システムの活用、対策の実効性担保として情報提供・位置情報提供の要請等、国等の感染病拡散者等への損害賠償請求が可能であることが明らかになった。特に最後の点で国・地方自治体が感染症対策等を講じることにより発生した費用を感染拡散者に対し損害賠償請求をすることができる点が他の3国で見られない特徴的な規定である。ただ具体的な感染症対策の実態の整理についてはまだ未完成である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ただし、具体的な感染症対策の実態分析について不十分である。理由は政府統計データ等に基づく分析が必要であるが、これらに関する中国、韓国の統計データの一部が入手困難な状況による。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度に行政法の基本原則の視点から各国の感染症対策を検証し、各国の感染症対策関連裁判例を取り上げ検討し、評価する。行政法の基本原則とは、代表者拙編著『東アジアにおける行政法の生成と展開―基本原則の比較研究及び共通原則試論』(法律文化社、2021年)で提示した日台韓中の共通原則を指し、具体的には法治主義、明確性の原則、平等原則、比例原則、信頼保護の原則(信義則)、適正な手続きの原則、透明性の原則、誠実信義の原則、裁量濫用禁止の原則、公正・公平の原則、公益の原則の11原則である。また、憲法上の原則(例えば立憲主義、人権保障、比例原則)の視点から感染症対策法制、対策及び裁判例を比較検討し、その共通性、異質性、特徴を整理する。 2025年度に公衆衛生危機時の法理論とその正当性を整序し、公衆衛生危機時の人権制限の正当性とその限界を検討し、前掲の日台韓中の感染症対策法制・対策・関連裁判例の比較検討を踏まえて、公衆衛生危機が平時を想定する行政法の基本原則にいかなる理論的な変容をもたらしうるか、公衆衛生危機時における行政法の基本原則のあり方に係わる理論の構築を試みる。最後に同年度末に以上の内容を構成する研究成果の刊行を予定する。
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