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国際企業グループ内再保険取引の経済的合理性と国際所得課税に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K01107
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分05020:公法学関連
研究機関関西大学

研究代表者

辻 美枝  関西大学, 商学部, 教授 (00440917)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワード国際課税 / 保険取引 / 所得移転 / キャプティブ保険 / BEPS / CFC税制 / 移転価格税制
研究開始時の研究の概要

キャプティブ(企業グループ内の専属保険会社)による保険は、企業の有効なリスクファイナンスとして利用が拡がっている。国境を跨ぐ企業グループ内の資金移動は、キャプティブの利用により費用性を帯び、税負担軽減につながるが、その利用に十分な経済的合理性がなければ、租税回避と位置づけられる。
本研究では、OECDによるBEPS(税源浸食と利益移転)勧告以降、国際課税制度が大きな変革期にある中で、キャプティブを利用した国際的租税回避に対し、日本が採るべき対応策を、特にその経済的合理性に着目し、比較法分析に基づき探求する。

研究実績の概要

本研究は、国際課税制度が大きな変革期にある中で、企業による保険・再保険取引を利用した国際的租税回避に対し、日本が採るべき対応策を、比較法分析に基づき探求するものである。2023年度の主たる研究対象は、2021年10月にOECD主導によるBEPS(税源浸食と利益移転)包摂的枠組みにおいて示された、二つの柱からなる新たな国際課税ルールであり、特に「第二の柱」に着目した。「第二の柱」は、最低税率での課税を確保するグローバル・ミニマム課税の実施を内容とするものであり、既存税制(特に外国子会社合算税制)との関係性が問題となりうる。新たな国際課税ルールの課題を浮き彫りにするとともに、実施に向けて段階的に法整備をしている日本への示唆を得るべく、比較法研究を進めた。
具体的な研究内容としては、「第二の柱」の合意内容、その国内法化の過程および既存税制への影響を、EUでの議論とその議論を先導してきたドイツを例として整理・分析をした。研究の進捗に応じて、7月と12月に租税論研究会、12月に関大租税法研究会・立命館大学税財政研究会において、研究報告をした。それぞれの研究会の参加者(租税法・財政学研究者)から有益な意見・指摘を得たことによって、研究論点を深化させることができた。
6月にルクセンブルクで開催されたEuropean Association of Tax Law Professorsの年次総会に参加した。総会の主要テーマ “Computation of Taxable Business Profits: Book-Tax Conformity and Other Issues”は、第二の柱の実施に関係する重要な事項を扱う。そこで最新の議論に触れ、参加者と意見交換をし、本研究課題に関連する有益な情報を得ることができた。
2023年度の研究成果として、2024年度に論文を公表予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

第一研究年度である2023年度は、研究課題全般の土台作りとして位置づけ、新たな国際課税ルールに関する研究を行った。そのため、本研究課題が特に着目するキャプティブ保険取引のみに研究対象をしぼらず、OECD主導により提案された新たな国際課税ルールが外国子会社合算税制などの既存の国内税制に及ぼす影響に着目して研究を進めた。研究の進捗に応じて、研究会報告をし、そこでの議論をもとに研究論点を深化させた。その過程を通じて、新たな国際課税ルールにおけるキャプティブ保険取引に係る論点を浮き彫りにすることができた。

今後の研究の推進方策

本研究の目的は、キャプティブ保険のリスクファイナンスとしての有効性を害することなく、国際的租税回避に対処し、以て税収を適切に確保するために、あるべき租税制度の構築を探求することにある。2023年度の研究は、最近の国際課税全般の動向に重きを置いていたため、今後は、キャプティブ保険取引に焦点を絞り、議論を精緻化していく。
2024年4月に、英国の国際租税法・EU法研究者を招へいし、The Future of International Tax Law (邦題:国際課税の方途)をテーマに講演会を開催する。当該講演会は、OECD主導によるBEPS解決策に対する国連の動きおよび発展途上国の観点からの問題提起を内容とするものである。本研究課題に対して、新たな着眼点からアプローチできるとともに、これまでの研究論点に重要な示唆を得ることが期待できる。
2024年度もEuropean Association of Tax Law Professors年次総会(ベルギー)に参加する予定である。そこで最新の国際課税の議論を入手するとともに、各国の租税法研究者と意見交換をし、情報収集に努める。
研究の進捗に応じて、研究会報告を行い、租税法研究者・財政学研究者と常に意見交換をしながら研究を進める。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] GloBE ルールの国内法化に向けたEU の動向2023

    • 著者名/発表者名
      辻美枝
    • 学会等名
      第45回租税論研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] EUにおけるGloBE ルールの受容-ドイツでの国内法化を中心に2023

    • 著者名/発表者名
      辻美枝
    • 学会等名
      第48回租税論研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ドイツにおけるIIRの国内法化とCFC税制への影響2023

    • 著者名/発表者名
      辻美枝
    • 学会等名
      第155回関大租税法研究会・第52回立命館大学税財政研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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