研究課題
基盤研究(C)
本研究は、制裁手段としての国家管轄権の行使を動態的に把握することを目的とする。従来の国際法学において、合法性の指標のみから構成されてきた管轄権行使の評価枠組みが、現実の制裁措置の評価枠組みとして機能しなくなっていることを踏まえ、まずは、管轄権行使の実態に照らして、合法性判断を支えてきた領域・国籍という関連の妥当性を再検討する。さらに実効性と正当性の指標を加える。これら指標を有機的に連関させることを通じて、管轄権行使をより動態的に把握する評価枠組みを設定し、国家にとっての法政策の運用方針、及び企業にとっての行動指針としても機能しうる管轄権理論の構築を目指す。